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「社内にどんな文書があるのだろう」「社内文書の書き方の決まりが知りたい」と思う方もいるでしょう。この記事では社内文書の代表的な種類と、それぞれの書き方を解説します。
社内文書とは社内の情報共有に欠かせない文書
社内文書は社内で作成する文書です。ワークフローや情報共有に欠かせません。
通常のワークフローで使用する文書は、部署内での従業員への指示や、部署間の連絡と指示に使います。また、従業員が会社に対してなんらかの申請や届けをするときもよく使われるでしょう。
そのほか、契約書をはじめとする社外と取り交わす文書や、マニュアルや計画書など標準化に関する文書もあり、社内文書はさまざまな目的や用途で作成されます。
代表的な社内文書の一覧と管理先とは
代表的な社内文書を紹介します。文書の種類は見方によりさまざま種類に分けられますが、大きく以下の2つの分け方があります。
・ワークフロー別
・目的別
総務部門で作成する文書をワークフロー別に分類したものを次の表に示します。個別の用途や管理するシステムをまとめています。
ここからは、目的別の社内文書や部署によらない文書の種類を解説します。

用途別の種類 | 管理するシステム | |
従業員管理 | 慶弔届・住所変更届・身上異動届・退職届 | 人事管理ソフト(管理台帳) |
勤怠管理 (就業管理) |
時間外勤務届・休暇届・休日出勤申請・有給申請・勤務変更申請・シフト変更申請 | |
福利厚生 | 教育制度利用申請・保養所利用申請・資格取得補助申請・福利厚生利用申請 | |
風土改善 | 人事アンケート・社内意見箱 | |
人事稟議 | 採用稟議・入社配置稟議・移動稟議・査定稟議 | |
人事考課 | 目標設定→振り返り→評価・集計 | 給与計算ソフト |
ハラスメント対策 | 相談→報告→対応報告→再発防止報告 | 健康管理システム |
メンタルヘルス | セルフチェックシート・職場ストレス調査報告・改善活動報告 | |
入社手続き | 労働契約申請 | 電子契約サービス |
入社申請・入社手続き申請 | 人事労務管理システム | |
その他 | 求職届・服飾届・復帰支援計画・復帰支援報告・健康診断報告・辞令・人事異動通知書・人事通達 | 人事管理ソフト(管理台帳) |
①報告書
報告書は業務の進捗状況や調査結果などを報告するときに作成し、上司や他部門、顧客に対して提出する文書です。たとえば次のような文書があります。
・日報・週報・月報
・始末書
・セミナーや受講レポート
・調査・アンケート
営業の日報は、他の担当者や異なる地域で活動する担当者にも参考になる情報が含まれている場合があります。ワークフローシステムの情報共有機能が活かされるでしょう。
②指示書・連絡書・通達
指示書・連絡書・通達は、なんらかのアクションを促す目的で作成します。上司から部下に、他部門や協力会社などに提出する文書です。人事や労務などの管理部門から発行するものを「通達」と呼ぶ場合があります。
たとえば次のような文書が該当します。
・業務指示書
・決定事項通知書
・辞令
指示や通達は重要な内容が多く、担当者や上司、関係者などのチェックが欠かせません。ワークフローシステムの決裁や承認に関する機能を使えば、正確性や迅速性が向上するでしょう。
③議事録
議事録は会議や交渉などの場面で、話し合った内容を関係者間で確認するために作成します。主に関係部門に配布する文書です。名簿や収集されたデータも、議事録と同様に「記録」として保管・参照されます。
たとえば次のような文書です。
・各種の記録
・取り決め・確認事項
・判断に使用するデータ(売上・調査データなど)
議事録は、関係者間の確認が煩雑になりやすいといえます。ワークフローシステムによる出席者管理や共有機能、承認機能で管理が省力化できるでしょう。
④回覧
回覧は、行事の案内や社内外で発生した事柄のお知らせを部署間や部署内で周知させる文書です。
紙の回覧は、すべてのメンバーが閲覧し終わるまでにタイムラグが大きく、途中で文書が失われるケースがあります。
そのため、ワークフローシステム化のメリットは大きいでしょう。同時回覧で閲覧が迅速化し、見たかどうかの確認が容易です。
回覧のような簡単な書類は、シンプルな操作性を持つシステムが使いやすいでしょう。
⑤申請書・届出書
申請書・届出書は、許可や了承を得る目的で作成して、上司や管理部門などに提出する文書です。
たとえば次のような文書です。
・勤怠(休暇届や有休届など)
・出張申請書
・住所変更届
・施設利用申請書(会議室・福利厚生施設)
申請書や届出書には正確性が必要です。分かりやすい、数字・期日などの誤りがない、承認や管理がしやすいなどが求められます。
ワークフローシステムの承認フローや文書管理機能が、申請書の作成と管理をサポートします。
⑥企画書・稟議書
企画書・稟議書は、企画提案や決裁を仰ぐもので、上司や役員、社長などに提出する文書です。
たとえば次のような文書があります。
・企画書・提案書
・計画書
・稟議書
企画書にはさまざまな情報が必要です。アイデアや情報の収集や検討などの事前の作業が成果につながります。そのため、ワークフローシステムのコミュニケーション機能やタグ付け、情報共有機能がむいています。
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⇒企画書で説得力がある書き方とは?構成、記載内容について解説
⑦説明書(マニュアル)
説明書・マニュアルは、機器の使用方法や定型業務の進め方、問い合わせへの対応方法などを理解するために作成されます。
関係者の誰もが理解できる分かりやすい内容にして、いつでも参照できる必要があります。
たとえば次のような文書です。
・操作説明書
・緊急時対応マニュアル
・作業手順書
説明書は更新が多い文書です。また、複数の担当者で編集するケースもあるでしょう。ワークフローシステムのバージョン管理機能や共同編集機能が活用できます。
⑧契約書
契約書は、会社間・事業部間・業者との間や、会社と従業員との間で交わす契約文書で、両者で保管します。
たとえば次のような文書があります。
・雇用契約書
・リース品の契約書
・顧客・取引先との契約書
契約書は正確性が求められます。複数の担当者や上司による内容の確認、部門長の承認が必要で、更新を含む文書管理が重要です。
ワークフローシステムの編集やレビュー、承認、バージョン管理機能などで強力にサポートできるでしょう。
社内文書の種類別書き方

ここからは、社内文書の書き方と記載項目を解説します。
はじめに、ビジネス文書に共通して求められる内容を以下に示します。
・挨拶文は必要な場合のみ記載する(顧客や取引先など)
・結論から先に書く
・簡潔な文章にする
・文体は敬体を使う(ですます調)
・敬語は必要な場合のみに使う(顧客)
・箇条書きを活用する
・事実と所感を区別する
・数値化する
これらのことに注意しながら、文書を作成しましょう。
①報告書
報告書に必要な記載項目は次のとおりです。
●件名
●宛先名・部署名:〇〇部長|〇〇殿 など
●担当者名・部署名
●作成・変更日時
●本文
●追記・備考
報告書は事実関係を押さえることが重要です。
5W1Hを明確にし、図や表を用いて素早く理解できる内容に重点を置きましょう。何の報告か、結論は何か、を冒頭でしっかりと理解できるような記述が大切です。
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⇒報告書とは?報告書の種類やテンプレート、押さえるべき書き方・ポイントを解説
②指示書・連絡書
指示書・連絡書に必要な記載項目は次のとおりです。
●件名
●宛先名・部署名:〇〇殿|〇〇事業部 など
●担当者名・部署名
●作成・変更日時
●本文
●追記・備考
指示書は、誰が誰に対して指示するものかを明確にします。
対応してもらう時期はいつまでなのか、どのような手段で実施してもらうのかを押さえましょう。目的の提示や分かりやすい説明も重要です。
③議事録
議事録に必要な記載項目は次のとおりです。
●件名
●宛先名・部署名:関係者各位 など
●担当者名・部署名
●作成・変更日時
●出席者:〇〇部長、△△課長、◇◇、□□(敬称略)
●本文
●追記・備考
議事録は会議の内容を正確に、そして端的に書きます。誰が発言したものか、賛成・反対などの意思表示はどのようなものであったか、という事実関係を分かりやすく表現しましょう。
また、議事録にはすべての発言の記録は不要です。目的に関係のない余談は含めないようにしましょう。
④回覧文書
回覧に必要な記載項目は次のとおりです。
●件名
●回覧の範囲:〇〇課内|〇〇プロジェクトメンバー など
●担当者名・部署名
●作成日時
●本文
●確認欄(署名欄)
回覧を求める部署やメンバーの範囲を明確にしましょう。回答が必須の内容であれば、回答方法や期日を明確に示します。
文書を見てすぐに理解できるように見出しや箇条書きを用い、簡潔に書くことが重要です。
⑤申請書・届出書
申請書・届出書に必要な記載項目は次のとおりです。
●件名
●宛先名・部署名:〇〇課|〇〇係 など
●担当者名・部署名
●作成日時
●本文
●追記・備考
申請書や届出書には、項目の記載や書類の添付を求めるものがあります。漏れがないかを確認しましょう。申請目的を明確にし、内容は誤字脱字がないように正確に記載します。
⑥企画書・稟議書
企画書・稟議書に必要な記載項目は次のとおりです。
件名
宛先名・部署名:〇〇部長|〇〇社長 など
担当者名・部署名
作成・変更日時
本文
追記・備考
説得力のある書き方が求められる文書です。企画提案では背景や現状を押さえて、目的とともに具体的な数値目標も明確にしましょう。実現の可能性や時期を提示し、施策や費用を正確に記載します。
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⇒提案書のテンプレートや構成例を紹介!相手に伝わる書き方のポイントを解説
⑦説明書(マニュアル)
説明書・マニュアルに必要な記載項目は次のとおりです。
●件名:〇〇説明書|〇〇マニュアル など
●宛先名・部署名:〇〇部長|〇〇殿 など
●部署名
●作成・変更日時
●本文
説明書やマニュアルは対象者が明確です。説明により、相手が何かをできるようになることがポイントです。対象者のレベルを考慮して、理解しやすい内容にしましょう。図や表の使用、明確なステップの記載が有効です。
⑧契約書
契約書の記載項目は次のとおりです。また、本文の内容に関しては、別途契約上(法律上)必要な項目が存在します。
●件名
●作成・変更日時
●本文
契約を締結する目的は明確に記載しましょう。契約でどのような利益があるか、どのような権利や義務が生じるかをお互いに確認します。また、契約書の内容は複数人の目でしっかりチェックしましょう。
内容に不安があるときは、社内外の専門家に相談して正確性を確保します。法的な内容は新しい制度を事前に把握しましょう。
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ワークフローは担当者や日時、作業内容、決裁などで業務の流れを整理して体系化したものです。たとえば、稟議には申請から役員や社長の決裁や承認までの一連の流れがあります。
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システムは情報を一元管理でき、どのような書類でも条件を入力すれば瞬時に取り出せます。ワークフローシステムは、社内書類と業務の効率的な管理に欠かせないものといえるでしょう。
まとめ
今回は、社内文書の種類や内容を解説しました。社内文書もワークフローも大伯種類があり、ケースバイケースで選択して業務を遂行しなければなりません。
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