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社内での情報共有は、どのように進められているでしょうか。情報共有がスムーズにできていると、業務効率化だけでなく従業員の士気を上げることにつながります。
この記事では、情報共有のメリットや共有を怠った際に発生するデメリット、どのようなツールを導入すれば情報共有が進みやすいかをご紹介します。
情報共有とは
ビジネスにおける情報共有とは、チームのメンバーや上司を含め情報を共有しあうことを指します。業務の過程で得たノウハウやナレッジ、競合情報や業務の進捗など、ミスの事例など共有できる情報は多岐にわたります。
これらの情報共有を行うことで、メンバーの知識や業務レベルの向上につながり、サービスの向上につながる重要なテーマです。また、情報共有が上手くいくことで企業の生産性向上や業務効率化など大きな影響を及ぼすことができます。
情報共有の類語・関連用語・反対語
ここでは、類語・関連用語・反対語の3つの観点から説明します。
ビジネスにおける情報共有の類語
情報共有という言葉を、「情報」「共有」の2つに分けて類語を紹介します。
情報の類語は、以下の通りです。
- 知識
- 認識した情報を指す言葉
- データ
- 客観的な事実を伝える数値を指す言葉
- 知恵
- 知識を活用したもの
続いて、「共有」に関連する類語です。
- 共同利用
- 同じものを複数人が一緒に利用すること
- 総有
- 組織全体で何かを所有すること
- 周知
- 情報を多くの人に知らせること
情報共有そのものの類語としては、ナレッジマネジメントが該当します。ナレッジとはノウハウを体系化したもので、ナレッジマネジメントとはナレッジを共有し活用する経営手法を指します。
ビジネスにおける情報共有の関連用語
情報共有に関連するビジネス用語としては、以下の7つが該当します。
- ナレッジベース
- 企業内で蓄積してきた知識などをまとめたデータベース
- ナレッジワーカー
- 専門的なスキルや知識を生かして働く労働者
- ノウハウ
- 実体験をもとに得た知識や知恵
- スキル
- タスクや業務遂行のための実践的な能力
- ハウツー
- 方法・やり方全般を指す言葉
- 報連相
- 報告・連絡・相談をまとめたビジネス用語
- ブリーフィング
- 上司や同僚などへの簡単な報告・相談をする場
ビジネスにおける情報共有の反対語
情報共有と反対の意味を指す言葉は、以下の通りです。
- 属人化
- その人でないと仕事ができない状態になること
- 個人依存的
- 特定の人に業務が集中している状態
- セクショナリズム
- 特定の部署の利益を優先して他部門からの干渉を排除する動き
- ブラックボックス化
- 業務内容が外から見えず、不透明な状態
情報の不透明さや、個人への依存に関する用語となっています。
社内で情報共有が求められるシーン
情報共有が求められるシーンとして、以下のような状況が想定されます。
- グループ内
- 進捗状況の共有、課題の把握と共有
- 顧客対応時
- 先輩から後輩に引き継ぐ際に、顧客情報を共有してトラブルを防止
- トラブル発生時
- トラブル発生時にに担当者不在でも、情報共有ができていればスムーズに対応ができる
- 外部組織との連携時
- 組織の枠を超え手業務遂行をする場合
(例:合弁会社設立時にお互いの情報を開示する)
情報共有を進めることにより、業務効率化だけでなくビジネスチャンスを広げることにもつながります。
情報共有が重要である理由
情報化社会やテレワークの浸透により、今まで以上に情報共有の重要性が増しています。
この項目では情報共有を推進すると、どのように社内が活性化できるかを説明します。情報共有の重要性に関して、よく言われる項目は以下の3つです。
業務を効率化できる
1つ目は業務の効率化です。情報共有がうまくできないと、意思決定が遅れる・作業の重複・ミスの発生などリスクが発生します。必要な情報共有ができていれば関係者がスムーズに業務を行うことができるため業務の効率化が可能です。
例えば従業員が休み代わりの人が必要な場合でも、必要な情報が共有されていることで負担や手間が減ります。こういった突発的に起きる問題にも効率的に対応が可能です
ナレッジの蓄積や活用を促す
ナレッジとは従業員が会社で得たノウハウやスキルを体系化したものです。このナレッジを蓄積し共有することで、従業員のスキルアップに繋がります。
他の従業員が培ったナレッジは、社内で共有されて初めてその価値を発揮します。個人だけで情報を収集するのは限界がありますが、従業員同士で情報を横展開することで、従業員のスキルアップにつながります。
コミュニケーションを活発にできる
情報共有が活発になると、組織内のコミュニケーションが円滑になるだけでなく、従業員間の相互理解を深めることができます。他の従業員の多様な視点や考え方を知る機会が増加することで、コミュニケーション能力の向上はもとより、協調性と共感性を育む土壌が醸成されるでしょう。
情報が適切に共有される環境下では、従業員が孤立感を抱くリスクが軽減され、組織への帰属意識と連帯感が強化されます。これは、従業員エンゲージメントの向上、組織全体のモチベーション向上に直結します。
結果として、社内の人間関係が円滑化し、相互信頼に基づいた協力体制が構築されることで、組織全体の生産性向上に大きく貢献することが期待されます。
情報共有が不十分である場合のリスク
もし情報共有が不十分になると、どのようなリスクが生じるのでしょうか。情報共有が不十分だと、最終的には信頼関係にひびが入ることになりかねません。ここでは、特によく言われる3つのリスクについて説明します。
業務の進捗が見えにくくなる
1つは、業務進捗の可視性の低下です。特定の情報が一部の担当者のみに留まっている状況下は、その担当者が不在になった際に業務が停滞するリスクが高まります。業務進捗に関する情報が共有されない場合、コミュニケーションの円滑性を損ない、業務ストップをしかねません。
このような事態を回避するため、進捗状況が誰にでも分かるようにすることは極めて重要です。特定の人しかわからないような状況を回避するために、極力複数の人が把握をできる体制を構築する必要があるでしょう。
業務が属人化する
業務の属人化も、情報共有がスムーズにできない原因の1つです。
特定の担当者のみがしか知らない情報や作業があると、業務負荷が高まり効率が非常に悪くなります。また属人化している状態でトラブルが起こると、トラブル対応や意思決定に時間がかかり、クレームにつながる危険性をはらんでいます。
担当業務のノウハウやナレッジが共有されていれば、担当者の休暇中や異動後も安定して業務に取り組めるでしょう。情報共有は、属人化のリスクヘッジといえます。
企業への信頼が失われる
必要な情報が社内で共有されていないと、会社への信頼が失われるおそれがあります。
例えば、取引先の担当者から「先日〇〇さんが説明してくれた、新製品の導入事例に関する資料をもう一度送ってほしい」という依頼があったと仮定します。
社内で顧客情報と営業担当者、過去の商談内容・提供資料が共有されていれば、すぐに該当資料を見つけて迅速に送付できます。
しかし、情報が共有されておらず、誰が対応したのか、どんな資料を渡したのかが分からない場合、顧客を待たせてしまいます。場合によっては「対応が遅い」「連携が取れていない」といった不信感を与えてしまうかもしれません。顧客からの信頼を損なうことは、ビジネスにおいて大きな機会損失に繋がります。
社内で情報共有を実現するステップ
部署内の情報共有を実現するためには、入念な設計やルールの策定が必要です。これから紹介する4つのステップを抑えて準備すれば、スムーズな情報共有ができるでしょう。
1. 現状把握と目的を決め、目標の設定
まずは現状把握(課題)や情報共有をおこなう目的を決めましょう。現状の課題を洗い出し重要度の高い順に並べて対処を行う必要があります。その課題を解決することでどの様な状態になっていることが望ましいか目標を設定できるとよいでしょう。これらの意見を従業員全員で話し合い、アイディア出しを行うことも重要です。
2. 共有方法に関するルールの策定
あらかじめ共有方法について、明確なルールを決めることで従業員が迷うことなく業務を進めていくことができます。
ただし、過度にルールを決めてしまうと、従業員の負荷が高くなるためできるだけ簡素で分かりやすく作成するのがコツです。また、情報を社外に共有するかどうかでセキュリティの管理法が変わります。共有する範囲も、あらかじめ決めておきましょう。
3. 社内への周知
情報共有の実現で重要なポイントは、なぜ情報共有を行うかという目的やメリットを伝え、従業員が理解し価値があると思えることが重要です。
例えば「ツールを導入する」だけでなく、どんな目的でなぜこのツールなのか、どの様な状態を目指すのかなど明確に説明をしましょう。
周知方法は社内報やメール、チャットなどで繰り返し周知し、全従業員が理解を深めるように努めます。あまり関与しない従業員にも広く伝えることで、協力体制を築きやすくなります。
4. 共有が行われているかの確認とルールの改善
情報共有において、初めから100%の仕組みは作れません。実際に運用してみて、初めて分かることもあるでしょう。また、やってみるとルールが煩雑で運用が難しいケースなども発生するかもしれません。
こうした問題点を確認し、すぐにルールを変更・修正を行うことが大切です。ルールが現場に合わなければ変える、ルールが定着しているか定期的に確認するなど、現場に即した形に運用を変えていきましょう。
社内の情報共有を効率化するポイント
情報共有をすれば効率化が図れますが、さらに効率よく情報共有を進めるために押さえるべきポイントがいくつかあります。
これから紹介する3つのポイントを押さえておくことで、より効率のよい情報共有のフローを整えられるでしょう。
責任者・承認者・決裁者を決める
情報共有の円滑な運用には、責任者となるリーダーの選定が不可欠です。
個別で情報共有を行うと認識の齟齬が起きたり、時間がかかるなど効率が悪くなるため情報共有が進みません。責任者は目的や方向性を理解し他の従業員に伝えることや役立つ情報を整理しまとめ共有する力が求められます。
さらに、意思決定における承認者と決裁者を明確に定める必要があります。誰のチェックを経て最終決定に至るのかを明確にすることで、プロセスの透明性と責任の所在が明確になります。「承認」とは、意思決定の途中段階における確認を指し、「決裁」とは最終的な意思決定を指します。
共有は必要なメンバーに的確に行う
情報を共有する際は、必要性に応じて相手を選びましょう。部署によっては全く情報を必要としなかったり、判断を下すことが難しいメンバーに共有しても意味がありません。情報の重要度に合わせて共有範囲を絞り、共有する情報は活用しやすいように整理しましょう。
全社がリアルタイムで共有できるようにする
情報は、日々更新されます。情報をずっと追い続けることは不可能に近く、古い情報と見分けがつかない状態になると活用が困難になってしまいます。さらに、テレワークが発達した今、情報は時と場所を選ばずリアルタイムで共有が必要です。
リアルタイムで情報を共有するにはITツールの導入が必要不可欠です。ツールを導入すれば情報が更新されれば通知が来て確認ができ、リアルタイムな情報共有が可能になります。
情報共有や発信に役立つツールやシステム
昨今、情報共有に必要不可欠なITツールですが、役立つツールやシステムは多種存在します。ここでは、よく社内で活用されるITツールを5つご紹介します。貴社の状況や目的に合わせて比較をしてください。
チャットツール
チャットツールとは、チャット機能を持つアプリケーション全般を指します。ビジネスに特化したものでは、ChatworkやSlackなどが有名です。テキストベースのコミュニケーションに特化しており、業務連絡や気軽なコミュニケーションをとる際に役立ちます。
短文で情報をやり取りできる気軽さがある一方、業務に関係ない連絡や不要なコミュニケーションが増えるリスクがあります。不要なコミュニケーションに、重要な情報が埋もれてしまうおそれもはらんでいるでしょう。
ワークフロー
ワークフローとは、これまで紙や文書で行っていた申請・承認などの手続きを電子化したシステムのことです。例えば、提案書の稟議申請や交通費の申請などをシステム上で行うことで、手続きが迅速化され、情報共有もスムーズになります。
紙での処理と異なり、システム上での承認・決裁となるため、時間や場所にとらわれずに手続きを進めることが可能です。また、システム管理者は閲覧権限や承認ルートを細かく設定できるため、組織内部の統制やガバナンスの強化にも役立ちます。
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⇒ワークフローとは?意味・作り方・図解・導入の全知識【2025最新版】
社内SNS・社内Wiki
社内SNSや社内Wikiは、企業内でのみ利用されるSNSの一つです。全従業員がノウハウやスキルを投稿・共有できるため、情報共有が活性化する期待ができます。コミュニケーションの促進には活かしやすい一方、過度に情報共有が飛び交うことでコミュニケーション疲れが発生するデメリットはあるでしょう。管理者側による運用フローの徹底などが必要といえます。
ファイル共有ツール
ファイル共有ツールは、決められたメンバーとファイルを共有するためのシステムです。インターネット上にファイルを保存し、アクセス権のあるメンバーならだれでも・どこからでもアクセスができ、利便性が格段に上がります。DropBox、Googleドライブなどが有名です。
一方で、権限がない状態でファイル共有をすると情報漏洩のリスクが発生します。運用する際にITリテラシーやコンプライアンスが求められる側面があり、セキュリティ面に不安が生じるおそれがあります。
グループウェア
グループウェアは、社内コミュニケーションを活性化させるためのツールであると同時に、これまで紹介してきた機能を包括的に備えたツールです。情報共有はもちろんのこと、プロジェクトの進捗状況、スケジュール、ファイルなども共有でき、業務連絡を効率化できます。多機能で使いこなせば非常にメリットがありますが、従業員によっては機能を十分に活用できない場合もあるでしょう。
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⇒グループウェアとは|意味や機能、メリット、導入基準などをまとめて解説
情報の共有と管理にはワークフローシステムがおすすめ
ここまで様々なITツールをご紹介しましたが、情報共有と管理の一手段として、ワークフローシステムの活用を特にお勧めします。ワークフローシステムとは、従来紙や文書で行っていた申請・承認業務をデジタル化し、効率化を図るためのものです。
弊社が提供するワークフローシステム『コラボフロー』は、承認・決裁までの流れを可視化できるだけでなく、情報の内容に応じて承認者の条件分岐を設定することも可能です。
申請を回覧しながら質問を投げかけることができ、より精度の高い情報共有を実現します。運用上の疑問や課題が生じた際も、専用窓口で相談が可能であり、状況に応じた最適なフローへの見直しをサポートします。回覧フローも自由に選択できるため、部署内における情報共有に最適なソリューションです。
まとめ
ビジネスにおける情報共有とは、業務に関する知識や進捗、ミス事例などをチームや上司間で共有することです。情報共有を円滑に行うことで、業務効率化や企業の生産性向上に繋がります。
情報共有が不十分である場合、業務の進捗状況が把握しづらくなったり、業務が属人化するリスクがあります。こうした社内不備により顧客に迷惑をかけ、信頼の損失に繋がりかねません。
ワークフローシステムは、このような課題を解決するうえで有効なツールです。
株式会社コラボスタイルの「コラボフロー」は、ワークフローシステムを提供しています。
申請・承認業務を始めとする、ワークフローを可視化し情報共有を行います。これにより業務の属人化を防ぐことで、社内連携を強化・スピーディに対応できます。
情報共有の仕組み化、社内のIT化などに興味のある方は、お気軽にコラボフローの資料をダウンロードください。
ワークフローシステムの「コラボフロー」は直感的に操作ができるため、初心者におすすめのツールです。Excelで使用している帳票や申請書を、そのまま申請フォームに変換でき、移行も簡単にできます。コラボフローの詳細は、下記よりご確認ください。