「回議」とは?基礎知識や書類作成に必要なポイントを解説

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「回議」とは?基礎知識や書類作成に必要なポイントを解説

回議とは、社内の関係者全員が書類を共有し、重要事項に関して承認や決裁を得ることです。うまく活用すれば、情報伝達の迅速化や承認率の向上が期待できます。

この記事では、回議についての基礎知識をはじめ、回議書を作成する際のポイントや、メリットとデメリットなどについて解説します。

回議とは

回議とは、社内やビジネスシーンで書類を回し、議案や申請などに対して意見を求めることです。ビジネスにおいては、回議書を作成し、複数の関係者の意見をもらった後、承認を得る流れになります。

「回議」には似た意味をもつ言葉が複数あることをご存じでしょうか。以下で詳しく説明します。

回議の類語・関連語・対義語

回議には、意味や発音がよく似た単語がいくつか存在します。たとえば「会議」は、そのひとつです。

「回議」では、ビジネスで発生した議案や申請に対して、複数の社員や関係者が閲覧し、意見を出し合うことで組織としての意思決定をします。

「会議」は、「会う」ことを前提とした意見交換であり、対面での審議を目的としていない回議とはプロセスが異なります。

閲覧をメインとした「回議」と、対面での意見交換をメインにした「会議」は類語であり、対義語としての面もあります。

このように、類似するものはほかにもいくつかあるため、意味を事前に把握するとスムーズに作業できるでしょう。

以下で、回議とよく似た単語とその意味をまとめました。

単語
              意味
合議
集まって何かを相談すること。何かの承認を得るために行われる。
討議
特定の議題に対して、複数名で意見を述べ合って議論すること。
回覧
情報の共有を目的として書類や資料を回すこと。
回議と異なり意見を求める目的はない。
回付
情報の確認や承認を目的として書類や資料を回すこと。
順番に回す行為に主眼が置かれる。
決裁
回議の最終段階を指す。意思決定や承認を得た後に行われる。
回議と最も反対の意味をもつ単語。

回議と稟議の違い

もうひとつ、回議とよく似た言葉に「稟議」があります。

稟議とは、物事を決める権限を持たない人が、裁量権をもつ担当者に対して許可を得ることです。例えば、社内で導入するためのシステムを経費で購入したい場合、経理や経営陣からの承認を受けるケースが稟議にあたります。

社内の関係者へ順番に申請書を回し、複数が目を通したうえで承認してもらう行程は、回議と同じであるといえるでしょう。
一方で、回議と稟議はそれぞれ目的が以下のように異なります。

   
          回議
  稟議
目的
意見を聞き許諾をもらう
決裁者などから承認を得る
承認者
決裁権のない担当者
決裁者(部長、経営陣)
活用タイミング
提案レベルのフロー
意思決定のフロー
用途
社内プロジェクトの提案
全社システムの導入など

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会社における回議の流れ

回議を行う流れは、一般的に以下の順で作成し、決裁まで持っていきます。正しい順番を覚えましょう。

 ● 回議書の作成

 ● 会議の実践

 ● 意見のまとめや決裁

それぞれについて、解説します。

回議書の作成

回議は、議案や申請の書類作成からはじまります。

経費を使って購入や導入を希望する場合、使用許可の権限をもつ担当者へ申請します。その際、購入希望である当事者が、社内の規定フォーマットを使って申請書を作成する手法が一般的です。

作成した申請を関係する担当者へ意見を仰ぎ、直属の上司に提出することで、回議が開始されます。

回議の実践

上記の手順で作成された申請書は、回議書や必要な書類とともに社内を回覧されます。

申請内容は、書類を受け取った上司やその上の責任者によって承認の可否が判断されます。もし承認が得られない場合は、申請者に差し戻されるのが一般的です。

このプロセスを社内の関係者全員が順に行います。このように、回議では担当者や関係者のスケジュールを調整して会議を開く必要がなく、効率的に回答を得られる点が特徴です。

意見のまとめや決裁

会議を通して得られた意見をまとめ、必要であれば申請内容の修正や再提出を行います。

決裁が必要な回議であれば、社内の関係者や担当者全員の承認を得る必要があります。そして、最終的に裁量権者が決裁することで、申請内容が無事成立する仕組みです。
これらの承認を受けてはじめて、申請者は経費を利用できます。

なお、決裁は申請内容の重要度や金額によって、判断する人物が異なることが一般的です。以下は、申請内容に対する決裁者の一例です。

 ● 10万円以下の経費を希望する場合:部長 

 ● 100万円以上の経費を希望する場合:役員

 ● 新規事業計画:社長

回議書に必要な項目

回議書は、一定のフォーマットに沿って記入します。その際、要点を端的にまとめることが大切です。また、統一された書式を使って分かりやすく簡潔に記載することで、スムーズな承認につながります。
ここでは、各項目をどのように書けばよいのかを解説します。

件名

回議書の主題や目的を簡潔に記入します。このとき、内容が一目で分かる件名にすることが大切です。例えば、「新規社内システム導入に関する承認依頼」というように、具体的で分かりやすい表現がおすすめです。

起案者や起案日

起案者の名前や所属先、回議書の作成日や提出日を明記します。
社内の複数名が見る書類であるため、「誰が」「いつ」作成し、提案したのかを提示する必要があります。これらの情報を通じて、どのようなタイミングで意思決定したのかや、プロセスの履歴が把握しやすくなるでしょう。

概要

回議の対象である事項を簡潔に記載します。これを読んだ人が「会社にとって大きなメリットになりそうだ」と思ってもらえるように書くと、承認されやすいでしょう。
例えば、「新規社内システム導入に伴い、年間400時間の業務削減が見込まれるため、承認を求めます」というように、提案内容や予想される効果を要約します。

提案や申請の目的

なぜ提案するのかや、具体的な目的を明確に記述します。このとき、ただ単に理由を述べるだけでなく、課題と解決策を一緒に記述するとより説得力が高まります。
例えば、「現在の社内プロセスが非効率であり生産性が不足するため、新規システムの導入で改善を図る」というように、簡潔に記述するとよいでしょう。

添付書類について

申請するにあたって必要な書類や関連するデータなどがあれば、それらも併せて提出します。具体的な資料があれば担当者がスムーズに理解できるため、承認をもらいやすくなります。
また、見積書を作成したり支払い条件や予算の内訳を記載したりすると、より申請が通りやすくなるでしょう。

意見・コメント欄

回議書を作成する際は、関係者が意見やコメントを書き込めるスペースを確保します。承認担当者や関係者が補足できるスペースを設けておくと、後のトラブルを未然に防げます。
このとき意見だけでなく、承認を求める回議書にも追記できるスペースを設けることが大切です。

承認・決裁欄

最下部に、承認担当者や関係者が意思を示すための署名欄、または押印スペースを設けます。一般的に、左から右へ下位職位者から順に押印します。
また、決裁がある案件の場合は決裁者用のスペースも確保しましょう。「財務責任者」や「出金担当者」などの枠をあらかじめ設定すれば、決裁状況が把握しやすくなります。

回議書を書くときのポイント

回議書は、提案するに至った背景や目的を明確に伝え、簡潔で説得力のある表現を心掛けましょう。読む人がすぐに理解できるよう記述し、回議書の核となる部分をしっかりと伝えることが大切です。
ここでは担当者や関係者から承認を得るために、どのようなことを意識すればよいのかを解説します。

提案する目的や理由などをしっかり書く

回議書はなぜ提案するのかや、解決したい問題や達成したい目標を具体的に記述します。実行した際に、どのような改善が見込まれるのかを伝え、どの程度の成果が得られるのかも伝えることが大切です。また、現状の問題点や課題を伝えるだけでなく、それらを放置した場合のリスクも明確に記述します。

例えば、「現在の社内システムでは業務行程が非効率であるため、現状維持すると更なる費用増加と負担拡大が見込まれます」のように、提案の意義を効果的に伝えられる記述が成功のポイントです。

簡潔で明確な表現を心掛ける

回議書は多忙な社員が目を通すため、すぐに理解できるよう簡潔で明快な内容にします。冗長な表現を避け、一文一義を意識した記述が大切です。
さらに、関係者全員が理解できるように専門用語や略語は避け、正式名称で伝えます。

また箇条書きを活用し、提案内容や理由を視覚的に分かりやすく示す方法もおすすめです。
箇条書きで記したほうがよい例としては、以下のような記述が挙げられます。

 ● 提案概要

 ● 実施方法

 ● 期待される効果


承認を得るためには、明瞭で分かりやすい記述がポイントです。

リターンとリスクを明示する

承認してもらうためには、リターンとリスクの両方を明確に伝えます。

リターンでは、導入後の具体的な改善点やメリットを具体的に例示します。例えば、「新規社内システムの導入で1週間あたり8時間の業務削減が実現する」というように、関係者全員がイメージしやすい表現を意識するとよいでしょう。

リスクには、それに対する改善策も併せて提示すると信頼性を高められます。
例えば「初期導入費用がかかる一方、維持費の撤廃や業務効率化による人件費削減で、およそ1年で回収が可能」のように、デメリットに対してどのように対処するのかを具体的に記述します。

説得力があるデータを提示する

提案内容の信憑性を高めるためには、説得力のあるデータで証明します。関係者全員が納得できる信頼性の高いデータを選び、表やグラフなど視覚的に分かりやすい形で伝えます。
例えば、「新規社内システムを導入した他社では、業務時間を平均35%削減」というように、数字を用いて実例を明示するとよいでしょう。

関係者から質問されることを想定し、すぐに説明できるよう補足になるデータをあらかじめ用意することがおすすめです。

回議を行うメリット

回議は直接的なコミュニケーションを取り入れつつ、書類を介して迅速な意思決定ができる点が最大のメリットといえるでしょう。
ほかにも回議のメリットは多くあり、主に以下の2つが挙げられます。


 ● 関係者全員の意見や承認を得られる

 ● 会議の回数を削減できる


それぞれ詳しく解説します。

関係者全員の意見や承認を得られる

回議は関係者全員を1か所に集めることなく、意見や承認が得られます。多忙な担当者や関係者のスケジュールを調整する必要がなく、自分のペースで確認できるため、効率よく決裁へ進めることが可能です。関係者は時間に余裕をもって検討できるため、より慎重に考えた見解を導き出せます。

また、より広く関係者から意見を得られる点もメリットです。多くの意見や多様な視点を考慮し、自社にとって最適な決定を見出せます。

会議の回数を削減できる

回議は関係者が自分のスケジュールに合わせて確認や承認ができるため、会議の頻度を削減できます。関係者から意見や承認を得るために毎回会議を開く方法は、非効率的であり時間も労力もかかるためです。

回議では関係者が情報を事前に把握できるため、会議の頻度削減や時間短縮が期待できます。また、内容をあらかじめ把握すれば議論での要点を絞れるため、社内全体の生産性向上にもつながるでしょう。

回議を行うデメリット

回議は、便利で効率よく承認が得られる一方、少なからずデメリットもあります。
その例として、以下の2つが挙げられます。


 ● 書類の作成や承認に時間がかかる

 ● 責任の所在があいまいになるおそれがある


それぞれ詳しく解説します。

書類の作成や承認に時間がかかる

回議書の作成や承認に時間を要する点は、回議のデメリットです。とくに、アナログな手法で進めると、関係者全員が目を通すまでに時間がかかり、そのぶん承認を得るまでの期間が長くなります。さらに、決裁権限者が出張で不在の場合は、決裁が滞るおそれが考えられます。

その結果、スケジュールに遅延が生じ、ビジネスチャンスを逃すかもしれません。

責任の所在があいまいになるおそれがある

2つ目のデメリットは、一人ひとりの責任意識が低く、トラブル時の責任所在がうやむやになるおそれがあることです。

回議は基本的に複数の関係者が承認に関わるため、責任の所在があいまいになりやすい傾向があります。また、決裁権限者は申請者よりも立場が上であることが多いため、万が一トラブルがあっても責任所在の追求がしにくいケースがあります。
トラブル時の対応に時間がかかれば、自社にとってさらなる問題につながりかねません。

回議の効率化にはワークフローシステムを

回議の効率化を図るためには、株式会社コラボスタイルが提供するワークフローシステム『コラボフロー』の導入がおすすめです。

コラボフローは承認者の追加や処理が停滞する回議書の検索など、用途に合わせた柔軟な操作が可能です。また、リマインドメールの自動送信機能や申請フォームのノーコード作成機能など、スピーディな業務を支援する機能を豊富に備えています。
さらに、進歩状況をリアルタイムで確認できたり、過去の申請データを容易に検索できたりするため、処理の停滞を未然に防げます。

まとめ

回議とは、社内の関係者が書類を共有し、重要事項に関して承認や決裁を得ることを説明しました。また回議書は、このプロセスにおいて、意見をまとめ、承認を得るために重要な役割を果たします。

回議書を書くポイントは下記の通りです。


 ● 提案する目的や理由などをしっかり書く

 ● 簡潔で明確な表現を心掛ける

 ● リターンとリスクを明示する

 ● 説得力があるデータを提示する


しかし、回議は、書類の作成や承認に時間がかかる、責任の所在があいまいになる等の課題があります。

ワークフローシステムは、このような課題を解決するうえで有効なツールです。
株式会社コラボスタイルの「コラボフロー」は、システム上に書類をフォーマット化したり、承認・決裁者の対応や停滞を防ぐことを可能にします。

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