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業務効率化を図るシステムはたくさんありますが、どう違うのでしょうか?
今回は経費精算システム、勤怠管理システム、BPMツール、ワークフローシステムの違いについて比較していきます。
経費精算システム
経費精算を紙やExcelで管理している場合、申請書に領収書を糊付けしたり、糊付けをする順番など煩雑なルールがあったりと、申請準備に時間がかかります。
また、経理担当者は申請された書類に不明点や不備があれば、申請者に連絡し確認を取る必要があります。
申請者が営業担当などで外回りが多い場合、確認するのにとても時間がかかるケースもあるのではないでしょうか?
経費精算システムを導入すると、このような経理精算に伴う作業をシステム化し、申請・承認・確認業務や、会計システムと連動した自動仕訳を行うことで経理業務の効率化を図ることが可能となります。
経費精算システム内にもワークフローがあります。具体的には、交通費精算や出張の旅費申請申請などの経費精算申請とそれに伴う承認・決裁・確認業務で、主に以下の通りです。
- 経費申請機能
- 承認機能
- 支払依頼機能
- 検索機能
- 自動計算機能
勤怠管理システム
勤怠管理システムは、出退勤時間の打刻や記録、残業や各種休暇の申請、労働時間の集計など勤怠管理に関する業務全般を支援するシステムです。
主な導入目的は勤怠管理における業務の効率化です。勤怠管理の業務効率を上げることで無駄なコストの削減や、社内の労働環境改善を行うことができます。また、導入のもう一つの目的として労働時間を適切に把握することが挙げられます。厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」で、従業員が出退勤した時間はタイムカードやICカード、PCの使用履歴など「客観的な記録」に基づいて記録されなくてはならないとしています。そのため厳密な勤怠管理を行うために勤怠管理システム導入の必要性が近年では高まっています。
参考:厚生労働省:「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
勤怠管理システム内にもワークフロー機能があり、以下の通りとなっています。
- 出勤管理機能
- 各種申請機能
- シフト作成機能
- 自動集計機能
BPMツール
BPMとは、Business Process Management(ビジネスプロセス管理)の略です。
BPMツールでは、社内の業務プロセスにおける各工程の作業を可視化し、業務改善を支援します。業務プロセスの分析から問題点・課題の抽出、再設計と進捗管理、改善を可視化・支援することで社内のリソースの有効活用を促します。
BPMツールの導入により業務プロセスの問題点や課題を分析し可視化することで、新しい業務プロセスを再設計し、検証を繰り返すことにより、ビジネスの変化に対応した適した業務プロセスへと改善していくことが可能となります。
BPMツールには主に3つの機能があります。
- モデリング機能
- シミュレーション機能
- モニタリング機能
モデリング機能は業務の可視化と設計、シミュレーション機能は設計した業務プロセスがどのように作動するかを予測する機能、モニタリングモデリング機能は業務プロセスの進捗状況を可視化する機能です。
この3つの機能を利用して業務プロセスの進捗を明確にし、更に業務の改善や最適化を継続的に行うことができます。
また、BPMツールを導入することにより、オペレーションコストを抑えることもできます。
ワークフローシステム
ワークフローシステムは、これまで紙で行っていた「組織内における申請や承認・確認及びそれらの手続きの流れ」(ワークフロー)をシステム化したものです。
一般的に申請や手続きの種類によって確認や承認・決裁のステップが異なります。ワークフローシステムでは、そうした申請や手続きの流れを全てシステム化することで、誰でもどこからでも決まった手順に沿って的確に意思決定を行う事ができます。最近では内部統制を目的として導入されることも増えています。
ワークフローシステムの機能は以下の通りです。
- 申請機能
- 承認・決裁機能
- 保管・検索機能
- 証跡管理機能
- 支援機能
ワークフロー専門のシステムなので機能が充実し、パフォーマンスも高く、複雑な申請・承認も柔軟に行うことが可能です。
関連記事はこちら
⇒ワークフローシステムとは?メリット・選び方・導入フローを解説
豆知識:ワークフローシステムとBPMツールの違い

ワークフローシステムとBPMツールはしばしば混同されることがあります。しかし大きな違いがあります。
ワークフローは、PCの貸出申請や、経費申請、や休暇申請などの申請承認の一連のやりとりの流れのことに限定した概念で、ワークフローシステムとは、申請承認業務をシステム化することで、業務の効率化を図るためのシステムです。
一方、ビジネスプロセスは、生産、販売、物流など社内全体を通したより大規模な業務の流れを指します。BPMツールでは、社内の人や物、各種システムなどによって構成される一連の業務プロセスを効率化するためのシステムです。
またワークフローシステム導入の目的は、申請や承認業務を効率化させることや、ペーパーレス化によるコスト削減などが一般的で挙げられます。
一方、BPMツールの導入では、業務プロセスの問題点や課題の洗い出し、新しい業務プロセスの再設計、検証を継続的に行い、業務プロセスの最適化を図っていくことが目的となります。
このように、ワークフローとビジネスプロセスではどちらも効率化を目的としますが、着目する視点が異なり、効率化を図ろうとする領域が変わってきます。
経費精算システム・勤怠管理システム・BPM・ワークフローシステムの比較
経理精算システム、勤怠管理システム、 BPMツールとワークフローシステムについて比較表にまとめるとこのようになります。
目的 | 対応業務 | 機能 | |
経費精算 システム | 経費精算業務の効率化 | 経費申請業務 | 経費申請機能 承認機能 支払依頼 検索機能 自動計算機能 |
勤怠管理 システム | 勤怠管理業務の効率化 労働時間の適切な把握 | 勤怠管理業務 | 出勤管理機能 各種申請機能 シフト作成機能 自動集計機能 |
BPM ツール | 業務の効率化 コスト削減 内部統制強化 | 社内の全業務プロセス | モデリング機能 シミュレーション機能 モニタリング機能 |
ワークフロー システム | 工程の可視化 業務改善支援 | 社内全般の申請承認業務 | 申請機能承認 決裁機能保管 検索機能 証跡管理機能 支援機能 |
まとめ
それぞれのシステムごとに目的や得意とする分野・領域は異なります。
BPMツールは社内の業務プロセス全体を対象としますが、社内の申請業務などを得意としているわけではありません。
とりあえず、経費精算や勤怠管理を重視して、効率化を図りたいのであれば経費精算システムや勤怠管理システムの導入で事足りるでしょう。昨今では、経費精算システムや勤怠管理システムでも稟議書などの申請フォームを備えている製品もあります。とはいえ、本来は一つの業務に特化している製品であるため、社内全体の申請承認業務をしっかりカバーできるかというと、そうではない場合もあります。
社内全体の各種申請承認業務を効率化したい場合は、ワークフロー専門のシステムを導入するのがオススメです。ワークフロー専門のシステムであれば、経費精算システムや勤怠管理システムと連携させて利用することも可能なので、一つの業務に限定した効率化ではなく社内の幅広い申請承認業務にも対応できます。
システムを理解せずに導入したがうまく運用できない……
導入してみたけどやりたいことが実現できなかった……など
最悪の事態を避けるためにも、それぞれのシステムの導入目的や対象業務、機能を理解し、自社の課題を洗い出したうえで必要なシステムを導入しましょう。
ワークフローシステムを活用し、稟議書の申請・承認業務の効率化を進めてみてはいかがでしょうか。
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