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現代のビジネスは、業務のほぼすべてをパソコンやWebに頼っているといっても過言ではありません。たとえば、売上や経費の把握はマイクロソフト社のエクセルを使用し、従業員同士のコミュニケーションや取引先とのやりとりはメールを使用します。
これらのIoTがますます進化する一方で、人手不足による業務の効率化を目指すためには、kintoneのようなシステムが欠かせなくなるでしょう。今回は、業務アプリ開発システムであるkintoneをより便利に活用できる方法を紹介します。
kintoneとは
近年テレビCMやオンライン広告などでよく目にするkintoneは、サイボウズ株式会社が提供する、クラウド型の業務アプリ開発システムです。
最も特徴的なことは、日常的な業務で便利に使えるさまざまなアプリが、プログラミングの知識のない初心者でも作れることです。プロジェクトの管理や進捗管理など、業務効率化に必須といえるさまざまなアプリがプログラミングなしで作成できます。
アプリの作成はごく簡単な操作だけで完結し、パソコンが苦手な人でも問題なくアプリが完成するでしょう.
また、作成したアプリ内のデータは複数のスタッフで共有可能で、データ抽出も容易です。業務のオペレーション変更によりアプリの修正が必要な場合も、すぐに手直しができます。
それぞれのビジネスに合った最適なアプリが構築できるでしょう。
kintoneの基本機能とは
kintoneの具体的な機能を説明します。どのような業務に使えるアプリが作成できるのかを確認しましょう。
業務アプリ
kintoneのアプリストアには100種類以上の業務アプリが初期サンプルとして用意されています。
たとえば次のようなものです。
・顧客管理アプリ
・人事評価アプリ
・出張申請アプリ
・在宅申請アプリ
kintoneはドラッグ&ドロップの操作で自由に構築でき、簡単にアプリが完成します。在庫情報や顧客情報などを含むExcelやCSVファイルを読み込ませると、そこからアプリを作成できます。
コミュニケーション機能
kintoneにはアプリに存在するレコード(個別の情報)にはコメント欄が設けられています。コメントを書き込めば、アプリ内の従業員同士でコミュニケーションが取れます。たとえば、顧客情報を管理するアプリの場合、顧客ひとりひとりの特徴や人となりなどを書き込むと次の担当者へ通知できるでしょう。
大切な顧客から依頼された内容を複数人の担当者で共有するケースでも、担当者ごとに情報の把握に違いが出ず、スムーズに対応できます。
kintoneと他のサービスを連携するメリット

kintoneはアプリの作成やカスタマイズが容易なシステムで、単体の使用でも大幅な効率化が期待できます。しかし、kintoneで高度なアプリを作成したい場合は多少の物足りなさを感じるかもしれません。
ここでは、kintoneと他のサービスの連携で得られるメリットを紹介します。
標準機能に足りない部分を補える
kintoneは、標準機能だけでも優秀です。しかし、多少物足りない部分もあるでしょう。
他のサービスと連携(連携サービス)すれば、kintoneにより細かいカスタマイズを加えられます。kintone連携サービスは標準機能の『どこか足りない部分』が補えるものであり、元々使っていたkintoneアプリに足りない要素を、後から追加できます。
データを転記する手間が省ける
連携サービスを利用すると、kintoneにあるデータを外部ツールと紐付けできたり、外部ツールにあるデータをkintoneへ取り込めたりします。
たとえば、これまで顧客からのアンケートを一旦集計してから他のkintoneアプリへ移していたケースを考えます。
従業員はアンケートを回収して集計する業務に加え、集計した情報を手動で他のkintoneアプリに移していました。これは二度手間であり、一度の操作で済ませる方が効率的です。
kintoneの連携サービスを利用すると、顧客からのアンケート情報が従業員の手を通ることなく自動でkintoneのデータへ取り込まれます。二度手間が解消されて、効率化が達成できるでしょう。
開発にかかる費用や時間が節約できる
システム開発には多くの費用や時間がかかります。同じく、すでにあるシステムの修正や作り直しにも、かなりの費用や時間が必要です。
kintoneの連携サービスは、それぞれすでに使用しているアプリやサービスをつないで利用するため、システムの開発や修正に手間がかかりません。開発にかかる費用や時間を大幅に節約でき、会社に大きなメリットをもたらします。
kintoneで拡張機能を使ってできる業務一覧
kintoneでは、APIを使用した連携やプラグインを使用して機能を拡張できます。現在200種類以上の拡張機能があり、求めている業務アプリにぴったりの機能が見つかるでしょう。
ここでは、拡張機能でできる業務をいくつか紹介します。
・『帳票出力』『見積作成』:データを整理した状態で美しく出力
・『営業』『顧客管理』:取引先と交換した名刺の管理や営業管理システムなどとの相互連携
・『電子契約』:取引データを利用した取引先への情報提示と意思確認
・『経費』『会計』『請求』『給与管理』:kintone以外の会計システムと連携して
シームレスに利用可能
・『ワークフロー』:業務改善に不可欠な各種ワークフローシステムと連携
kintoneと連携できるおすすめのサービス

kintoneには、さまざまな連携サービスが存在しますが、ここではとくにおすすめのサービスを2つ紹介します。
コラボフロー
コラボフローは、クラウドベースのワークフローシステムです。とても簡単な操作と豊富なワークフロー機能を利用して、申請や承認業務を電子化できます。
コラボフローはクラウドベースであり、使用するパソコンに専用ソフトをインストールする必要がありません。ブラウザで、稟議や経費などの社内申請に関する業務を効率化できます。すべてオンラインで行うため、導入や運用が容易です。
kintoneとコラボフローを連携すれば、kintoneアプリに登録されたデータをコラボフローの申請時に利用できます。そして、承認された結果は、再びkintoneアプリへ自動的に登録可能です。
カンタンで、誰でも使いやすい、高機能ワークフローシステム「コラボフロー」
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電子契約系サービス(GMOサイン、クラウドサイン)
電子契約サービスは、オンライン上で契約を締結させることができるサービスです。
『いつ』『誰が』『どの契約に合意したか』を証明する電子署名と、タイムスタンプを採用していて、オンライン上で契約書の証拠力を担保しています。
kintoneと電子契約サービスを連携することで、帳票の作成から送信・署名・保管・管理まで、スムーズに行うことができます。
流れとしてはkintone上の商品情報や顧客情報などから自動で帳票を出力します。そして電子契約サービスを使って、契約を締結し、kintoneで取引先との契約締結の情報を管理します。
結果として、契約書の作成や印刷、捺印、送付などの煩雑な業務を効率化でき、紙代や印紙代など金銭面でのコスト削減にもつながります。
契約相手は電子契約サービスにもkintoneにも登録する必要がなく、気安く導入することができます。
kintoneと連携できるサービス一覧
kintoneはさまざまな外部サービスと連携が可能です。連携できるサービスには、普段から多くの人が利用しているグローバルなサービスや国内有数の規模を誇るサービスも含まれます。ここからは、連携できるサービスを4つ紹介します。
Google WorkSpace
世界中で多くの利用者を抱えるGoogleが提供するサービスも、連携が可能です。ただし、連携にはサードパーティが提供するプラグインが必要となります。
Googleカレンダーを使うと、kintoneアプリで登録した予定が自動的に反映されます。逆も同じく、Googleカレンダーで登録した予定も、kintoneへ反映されます。一方的な連携ではなく相互に連携しているため、普段どちらのアプリも利用している人には大きなメリットといえるでしょう。
Gmailを利用すれば、kintoneからメールを送信できます。kintoneアプリを使用して、Gmailでメールの一括送信も可能です。
freee
オンライン会計ソフトfreeeもkintoneと連携が可能です。
kintoneとfreeeを連携すれば、取引先への営業や請求書発行、会計を一元化できます。kintoneでは、マーケティングから営業、受注までを担当し、請求書発行や会計、分析まではfreeeが担当します。
また、データの相互連携により転記の手間を減らし、業務の効率化にも貢献します。
Yoom
Yoomはkintoneと連携すると『アプリ操作』『書類発行』『承認依頼』など、さまざまなオペレーションの自動化ができます。
kintoneとYoomを連携することで、業務フローを『Yoom』に落とし込み、一連の業務フローをまるっと自動化することが可能です。
一般的に、業務フローは会社ごとに異なります。すべてをYoomに落とし込めば、一連の業務フローが自動化されるでしょう。
たとえば、見積書の発行から送付までの手順は以下のとおりです。
①顧客が申し込みフォームに情報を入力
②システムが自動的にkintoneから顧客情報を取得
③情報をもとに見積書が自動的に発行される
④発行された見積書を管理者が承認する
⑤承認後自動で見積書が添付されたメールが顧客へ送信される
そのほか、さまざまな業務の自動化が可能です。
gusuku Customine
gusuku Customineは、kintone標準の機能でできないことをサポートして、できることをさらに拡張していくことができるサービスです。
たとえば、kintoneアプリで画面をカスタマイズすると、Googleマップをkintone上に表示したりkintoneの画面上でQRコードを読み取ったりできます。定期実行させるタスクの設定や、PDFの出力など多くの『こんな機能があったら嬉しいな』を実現しています。ほかにもkintoneアプリのカスタマイズだけで、下記のようないろいろなことが実現できます。
kintoneアプリのカスタマイズ
・テーブルの他アプリへの転記
・項目をプルダウン化 大項目、中項目、小項目
・地図の表示
・タブ表示
・一覧でテーブルの確認
・自動採番
・締め日の計算
定期実行
・予実管理
・年齢計算
・売上集計
・表記のゆれの修正
・工数の積み上げ
・部署別経費集計
・勤務時間の集計
・レコードの集計
Excel/PDFの出力
・見積書、請求書、納品書
・実績レポート
・一覧出力
・利用明細
・宛名シール
・関連レコードを含むデータ出力
他にもさまざまなことが実現できます。ぜひ、gusuku Customineのサービスサイトをご確認ください。
kintoneとの連携サービスを利用する際の注意点

kintoneと他のサービスとの連携には大きなメリットがあります。一方で、連携できるサービスが多いため、どのサービスと連携するかを悩むこともあるでしょう。
記事の最後に、他のサービスとの連携で注意する点をまとめます。
自社に必要な機能を見極める
会社がどのような成果や機能を求めているかを、徹底して探りましょう。
目的が曖昧なままにサービスを導入すると、期待した成果が得られないかもしれません。現在の業務フローを事前に把握して、業務効率化に寄与する連携サービスを選びましょう。
導入にかかるコストを事前に把握する
kintoneと他のサービスを連携すると、ある程度の費用がかかります。
その費用はシステムをゼロから開発する費用と比べると安価です。しかし、不要な経費や時間はできる限り抑えなくてはなりません。
ワークフローの改善につながらない連携サービスを利用すると、結果として余計な時間と費用がかかるでしょう。
費用を最小限に留めたうえで業務の改善が達成できるように、費用のシミュレーションをしましょう。事前に費用を確認すれば、適切な費用で導入ができます。
セキュリティ対策を確認する
kintoneで取り扱うデータは、プロジェクトの社外秘情報や顧客の個人情報など、会社にとって機密性の高い情報が中心です。
それらの情報が流出すると、会社にとって甚大な損害を招くでしょう。経済的な損失だけでなく、世間からの印象や信頼にも影響します。
セキュリティの確保には十分配慮し、導入時には最優先事項として検討しましょう。
まとめ
今回は、kintoneの連携サービスについて解説しました。連携により、業務の工数が大幅に削減でき、業務効率化の実現が可能です。
一方で、連携できるサービスはさまざまな種類があります。会社の業務フローを把握して、目的に沿った連携サービスを選択しましょう。
紙の電子化にkintoneとワークフローシステムを活用することをおすすめします。
株式会社コラボスタイルではkintoneと連携できるコラボフローというサービスを提供しています。
業務改善や効率化を検討する方は、お気軽にお問合せください。