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根回しという言葉に悪い印象を持つ人もいるかもしれません。しかし、「根回し」は、ビジネスにおいて提案や決済を円滑化する必須の行為です。
今回は、ビジネスで有効な「根回し」のコツ、根回しを効果的にする方法を解説します。
根回しとは
根回しは、物事を決めるときに事前に周囲の了解を得ておく行為です。
「正規のルートではなく裏側から手をまわす」イメージがあり、よい印象を持たない方もいるかもしれません。
しかし、ビジネスシーンでは根回しは物事を円滑に進める効果的な行為です。上手な根回しが成果にもたらす場合もあります。
根回しの意味
「根回し」は、「物事を進める前に関係者の了承を得ておくこと」を意味します。
根回しは、もともとは「樹木を移植するときに事前に行う根元の処理」を意味する園芸用語です。
ビジネスシーンでは、重要な交渉の前や企画書や稟議書を通したい場合に使われます。
ビジネスでの根回しは、事前に関係者に詳細を説明して、説得を行います。
根回しを行うと、物事の円滑な進行が可能です。結果として、組織の意思決定スピード向上につながります。
根回しの重要性
ビジネスシーンや人間社会で、根回しは重要です。
人間は、個々に立場や感情があります。影響の大きい事柄をいきなり告げられると、即答が難しいと感じます。唐突さに反感を抱くと、内容の良し悪しに関係なく反対されるケースもあるでしょう。
そのような場合、物事を進める潤滑剤となるのが根回しです。根回しは、意思決定をスムーズに進める助けになるでしょう。
根回しが必要なビジネスシーン

根回しが必要なビジネスシーンは多岐にわたります。ここからは、根回しが必要なビジネスシーンについて解説します。
会社にとって大きな変化・変革が起きる場合
根回しは、稟議や決済が必要なシーンで効果的に用いられます。会社に大きな変化や変革をもたらす事案の場合もあります。
契約条件の見直しや急な契約の打ち切り、他社との契約、業務システムの変更などの事案で事前に根回しを行わないと、利害関係の調整に時間がかかるでしょう。相手にとって対応が重荷である、業務上不利になる可能性がある内容ほど根回しが必要です。
関係者が多数で、意思決定に時間が必要な場合
関係者が多数いて、稟議、承認、決済が必要なケースは、意思決定に多くの時間を要します。複数の部門や会社が関わるプロジェクトや、利害関係が複雑化している場合は、より傾向が強いでしょう。
関係者が多く、それぞれに立場や利害があるとき、根回しを行わなければ余分な時間がかかります。部署同士の対立が予想される際も同様です。
粘り強く根回しを行い、事案の進行に合わせて対応しましょう。
必要な予算が大きい場合
必要な予算が大きい場合、事前の根回しが効果的です。見積額の大幅な変更や予算を増額してもらうケースが当てはまります。
大きな予算の決済は、多くの人の承認が必要な可能性が高いといえます。事前の根回しがないと、細かい部分まで説明を求められるでしょう。
予算の増額のように、説明に時間がかかること想定されるときは、根回しで必要性やメリットを周知してください。
根回しが上手な人になるには
根回しが上手な人には、多くの特徴があります。こうした特徴は、急には身につきません。日頃から意識をして、少しずつ身に着けていきましょう。
ここからは、根回しが上手な人になるための方法を説明します。
相手の立場で考える
根回しをする際は相手の立場で考えることが大切です。相手に対して思いやりを持って接し、相手の立場で考えられれば、根回しも上手になるでしょう。
このような人は、数字のデータだけでなく、相手の業務の負担やキャパシティも考慮した説得ができます。
また、根回しの相手は経営の上位層である可能性が高くなります。日頃から経営者の視点で業務や会社のワークフローをとらえておくとよいでしょう。
相手の立場で考えられる人は、説得するために必要な材料を分析、準備するときに、適切なものを選択できます。
先を見通す力をもつ
先を見通す力は、根回しが上手な人になるために重要です。
ビジネスシーンにおける「先を見通す」は、予知能力ではありません。数値やデータ、分析結果から導かれる予想です。
先を見通す力を持てれば、会社の将来や業務の変革を見越した対応が取れます。加えて、シミュレーションを踏まえたうえでの物事の把握にもつながるでしょう。
内部に味方を増やす
根回しが上手な人には、多くの味方がいます。
味方になってくれる人は、利害関係だけを考えているわけではありません。日頃から社内の人間関係に気を配り、信頼を勝ち得た人に対して味方になります。
周囲に味方を増やせば、周囲を巻き込みつつ物事を思う方向に動かせます。根回しの内容に関わる人を探す際も、情報提供や紹介をしてもらえるでしょう。
根回しを上手く行うコツ

根回しを上手く行うには、コツを掴む必要があります。ここからは、根回しのためのコツを4つ紹介します。
相手を分析する
意思決定は、関係者が多いほど、目標や価値観、見解の違いが現れます。
関係者の立場や主張、考え方は事前に分析しましょう。相手に合わせた根回しをすれば、スムーズに進みやすくなります。
関係者のそれぞれの興味関心や影響力を分析し、対象の人物が興味や関心を寄せる材料を用意して、交渉を試みましょう。
根回しする相手を適切に選ぶ
根回しを行う相手が不適切だと、せっかくの準備も効果を発揮しません。事案のキーパーソンは適切に選びましょう。
相手はできるだけ上の立場であることが望ましいといえます。しかし、地位の離れた人物にいきなり会うことはできないでしょう。
根回し相手を選ぶ際は人脈が重要です。自身の人脈や、そこからつながる相手の人脈を用いてください。意思決定者やキーパーソンにたどり着くための道を、どれだけ押さえられるかがポイントです。
相手の立場を守る
根回しでは、相手の立場や気持ちへの配慮が欠かせません。相手が立場を損なわない形で相談を持ちかけることは、根回しの基本です。
組織が大きくなるほど、立場やメンツなどの要素は大きくなります。相手には感情があり、ただ正論だけを述べるだけの説得では納得は得られません。相手の立場を守るような根回しを心がけましょう。
関係各所、それ以外にも根回しする
根回しを行う範囲は広く持ちましょう。自分の同僚や部下、関係する別部署など、主要な人以外にも根回しを行うと、効果はより大きくなります。
事案について、たとえ上層部を説得できても、実行する現場の人々の中に反対する人がいると、結局はうまくいきません。
根回しは意思決定の確定に対して行われます。その後の実践段階を考慮すると、決定権を持つ人以外も根回しの対象にするべきだといえます。
根回しの効果の効果をワークフローシステムで最大化

根回しは、意思決定のプロセスを円滑にする手段です。
根回しが効果的に機能すると、会社の意思決定のプロセス、すなわちワークフローが効果的に働きます。反対に、ワークフローが整っていない企業で根回しを行っても、結局反対意見が出る恐れがあります。
根回しを行いスムーズに案件を進めよう
根回しは、意思決定をスムーズにする手段です。ワークフローの円滑化にもつながります。
根回しの効果を最大にするためには、ワークフローシステムの導入が欠かせません。
ワークフローシステムによって意思決定のプロセスが透明化されれば、根回しの対象が把握しやすくなるでしょう。根回しがより効果的になります。
さらに、ワークフローシステムは、資料や書類の電子化をします。これにより、作成や提出のプロセスも効率化されます。
ワークフローシステム導入でより早い意思決定を
今まで、紙やメール、faxを用いた書類のやりとりや承認、稟議には時間がかかるとされていました。しかし、電子化されたワークフローにより、意思決定はより高速化されます。
ワークフローシステムのもう一つの利点は、意思決定プロセスの可視化です。
歴史のある企業ほど、意思決定プロセスが複雑化しています。これは、意思決定の効率低下につながります。ワークフローはこのような問題を解消し、根回しをさらに効果的にするでしょう。
上手な根回しをビジネスで活用しよう
上手な根回しはビジネスにおいて非常に効果的です。決済や承認のスピードを上げて、企業の意思決定プロセスを円滑にします。
根回しの効果を高める方法としてあげられるものが、ワークフローシステムです。ワークフローシステムに興味がある方は、ぜひ下記までお問合せください。
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