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内部統制について詳しく解説|内部統制の基本的要素や目的とは

この記事の目次

2009年に財務報告に係る内部統制の報告が義務付けられました。

また、近年はコンプライアンス遵守の高まりから、内部統制強化に対するニーズが高まっています。しかし、内部統制を何のために行うのか、どこから取り組むべきか分からない担当者も多いのではないでしょうか。今回は内部統制をわかりやすく解説します。

内部統制をわかりやすく解説

内部統制とは何なのか、最終的な目標は何なのかを上手く答えられないという人も多いでしょう。記事の最初に、内部統制の概要をわかりやすく解説します。

内部統制をわかりやすく言うと

内部統制は 経営目標達成に必要な仕組みを目的に応じて整備し、運用することです。業務効率の向上や法令遵守に加えて、資産の保全も整備すべき事柄に含まれます。

企業の不正やミスを防ぐために、全ての従業員が整備されたルールを守る必要があります。そのため内部統制は、正社員だけではなく、企業に関わる全ての人材が意識すべき概念です。

ワークフローシステムを用いて、社内における各種申請や手続きなどを電子化すると、強固な内部統制の構築につながります。

内部統制は 経営目標達成に必要な仕組みを目的に応じて整備し、運用することです。業務効率の向上や法令遵守に加えて、資産の保全も整備すべき事柄に含まれます。

企業の不正やミスを防ぐために、全ての従業員が整備されたルールを守る必要があります。そのため内部統制は、正社員だけではなく、企業に関わる全ての人材が意識すべき概念です。

ワークフローシステムを用いて、社内における各種申請や手続きなどを電子化すると、強固な内部統制の構築につながります。

内部統制の必要性・社会的背景

2009年以降、金融商品取引法(第24条)によって、上場企業は内部統制報告書の提出が義務づけられました。新しく上場した企業は上場後最初の決算報告において、内部統制の報告書の提出が求められます。

法律で提出の義務がない企業でも、今後上場を目指している場合は内部統制を意識しなければなりません。

内部統制が求められる社会的背景としては、リコール隠しや粉飾決算、表示偽装などの不正の多発が挙げられます。

内部統制が機能するとどうなるのか

内部統制が機能すると、社内における守るべきルールの整備が行われます。

それによって会社としての精度の高い意思決定が可能になります。コンプライアンスの向上、セキュリティの向上も期待できるでしょう。従業員のモチベーションの向上にもつながります。

そのほか、資金調達や信頼性の向上、優秀な人材の採用にもつながり、企業活動の長期的な発展の礎に役立ちます。

内部統制とガバナンスの違い

ガバナンス(=governance)とは、統治のあらゆるプロセスを指す言葉です。

ビジネスでは「コーポレートガバナンス(企業統治)」と呼ばれます。株主や取締役会などが経営者を監視し、企業の正常な運営に必要な仕組みを指します。

コーポレートガバナンスと内部統制の違いは、外部監査人や規制当局などの外部の関係者を含むかどうかです。内部統制は外部の関係者を含まず、企業内の整備を指します。内部統制とはコーポレートガバナンスを実現する手段の1つといえます。

内部統制4つの目的

内部統制には、主に4つの目的が掲げられます。その目的は、業務の有効性及び効率性・財務報告の信頼性・事業活動に関わる法令等の遵守・資産の保全です。

ただし、これらは独立した物ではなく、相互に影響しあう関係にあります。ここでは、それぞれの目的の概要について紹介いたします。

業務の有効性及び効率性

内部統制の目的の1つは、業務の有効性や効率性を高めることです。

内部統制は、余計な工程を省いて作業時間や費用の削減を図ったり、経営の安定や改善を試みたりして、経営資源(「ヒト・モノ・カネ・情報」)を最大限に生かせる環境を作ります。経営資源を有効活用できず業務効率が低下すると、経営状況の悪化につながります。

この目的の達成に有効な手段の1つが、ワークフローの導入です。業務の流れが可視化され、経営資源を適切に生かせているかどうかがわかりやすくなります。

財務報告の信頼性

財務報告は経営状況を判断するための情報です。財務報告は企業の社会的信用にもつながります。

内部統制の目的の1つに「財務報告の信頼性を高める」があります。財務報告において誤った記載があると報告の意味を失うでしょう。それだけでなく、株主や取引先などからの信頼も失います。

透明性を確保すれば取引先と良好な関係を維持できます。正しい財務報告を行っている企業は信頼され、多くの投資を呼び込めるでしょう。

事業活動に関わる法令などの遵守

コンプライアンスや法令などの規範遵守の促進も、内部統制の目的です。

事業活動に限らず、全ての社会活動において法令遵守の精神は欠かせません。法令違反をすると社会的信用を大きく損ない、長期にわたって事業に影響が出ます。目先の利益追求だけを優先せず、社会的信頼の獲得や維持の意識が、長い目で見て大きな利益を生みます。

法令に明記されていないコンプライアンスも意識しましょう。

資産の保全

企業は活動するための資産を持っています。有形資産である設備や商品、現金などのほか、技術や機密情報のような形のないものも資産に当たります。

資産の取得や使用などの保全も、内部統制の目的です。資産のやり取りにおいて不正があると社会的信用が損なわれます。資産が足りなくなれば事業活動は継続できません。無駄な消費を抑え、適切に管理しましょう。

内部統制6つの要素

内部統制の目的を達成するためには、欠かせない6つの要素があります。これらの要素も目的と同様、独立して存在するわけではありません。相互に影響しあいます。ここからは、それぞれの要素の概要と役割について解説します。

統制環境

統制環境は、誠実性や倫理観・組織全体の経営方針や戦略などを指します。これは以下に紹介する5つの要素における基盤に当たります。

内部統制を実現するには、全ての従業員が内部統制について目的や重要性を理解していることが不可欠です。優れた仕組みが備わっていても、運用する人の意識が追いついていなければ、効果は得られません。

統制環境が不十分だとそれ以外の5つの要素が根本的に機能しないといえます。

リスクの評価と対応

リスクの対応と評価=リスクマネジメントも内部統制の実現には欠かせません。

内部統制の目的実現における障害の識別や分析を行えば、問題点を把握できます。リスクへの対応には主に回避・移転・低減・保有があります。状況に応じた対応を見極める判断力も必要です。

リスクには外部的要因と内部的要因があります。両方に備え、対応できるようにしておきましょう。

統制活動

統制活動は、組織内で決定した事項を遂行する際の仕組み構築です。必要な仕組みとして、従業員に対する権限の付与や職務の分担などがあげられます。

職務の適切な分担をすると、従業員同士が互いの仕事や作業を監視し合い、統制できるでしょう。監視の目が行き届いた環境を作れば、業務上のミスや不正の防止ができます。

社内における意思決定のプロセスが明確だと、従業員の自己判断によるミスや損失も防げます。

情報と伝達

必要な情報を従業員間で正しく伝達できる仕組み構築も、内部統制を実現するためには必要です。

情報が正しく理解され共有されれば、情報漏洩が起こる可能性を抑えられます。情報の取り扱い方法を誤れば社会的信用の失墜につながります。常に気を配っておきましょう。

全ての人員が各々の職務を遂行するために必要な情報を、適切に識別・把握・処理・伝達できる仕組みの構築は、組織全体の目標の達成に有効です。

モニタリング

内部統制が機能しているか監視し、評価するプロセス(モニタリング)も、内部統制実現に必要です。

モニタリングの仕組みをととのえると、内部統制の状況が監視や評価されます。不十分な部分が是正されるでしょう。

モニタリングと同時に、内部統制に不備が発生したときの対策も必要です。モニタリングは、日常業務中に行われるもの(日常的モニタリング)と、経営者や監査役などが行うもの(独立評価)に分けられます。

IT化への対応

組織の内外のIT化への対応も、内部統制の実現に重要です。

情報伝達の迅速化や調査、各種作業のマニュアル化を行いましょう。業務でIT技術を導入・利用できているかに加えて、内部統制の要素が機能しているかどうかにも気を配る必要があります。

また、導入したITシステムが、現状組織内外で使用しているシステムやサービスに対応しているか、うまく連携させられるかというところも重要です。既存の社内システムと、新規導入するシステムを上手く連携させられれば、業務効率は格段に向上することでしょう。

社会におけるIT化の割合は年々拡大しています。社会においてITの活用は必要不可欠です。

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内部統制で必要な3点セットとは

適切な内部統制構築は、内部統制の「方針策定」「現状確認」「評価」「見直し」「報告」といった流れから始まります。

ここからは、内部統制構築において必要な「内部統制の3点セット」を紹介いたします。

「内部統制の3点セット」を作成することで、業務をカンタンに管理でき、評価を正しくつけることができます。

これらは別名として「J-SOX」と呼ばれることもあります。

業務記述書

業務記述書は、業務に関する内容や手順を文章にした書類です。

主にリスクとそのコントロール方法の把握や、作業内容や担当者に対する理解を深める目的で作成されます。

業務記述書には、業務の概要のほか、実施者や利用システムなどの関連する情報も記載します。記載内容の例としては「商品の受注から発送までの流れ」や「売上」「代金の請求・入金の確認」などがあげられるでしょう。

フローチャート

フローチャートは、業務の流れを図で表した書類です。主に、業務や伝達事項の家庭を把握することを目的に使用されます。

フローチャートは、図で書かれているため、文章のみの業務記述書よりもわかりやすいという利点があります。業務だけではなく、取引や会計処理の流れの整理にも有効です。

フローチャートを作成し、社内全体で共有すれば業務の流れが共有されます。業務がスムーズに進むでしょう。

リスクコントロールマトリックス

リスクコントロールマトリックスは、業務上で起きうるリスクとその対応状況をまとめた表です。

リスクコントロールマトリックスを作成しておけば、業務によって想定される問題点と対応が一目でわかります。

内部統制に関わる人の役割や責任

組織内の内部統制における経営者の役割を、以下に示します。

  • 経営者 最終的な責任者です。代表者として、内部統制報告書の提出義務も経営者が負います。
  • 取締役会 内部統制の基本方針を左右します。また、経営者が不当な目的によって内部統制を無効にしてしまうことを防ぐ責任を負います。
  • 監査役・監査委員会 取締役とは独立した立場から内部統制を監査・評価します。
  • 内部監査人 企業内部の人間という立場から、内部統制を監査・評価します。
  • 組織内のその他の者 内部統制で定められた決まりに従って業務を遂行します。

取締役会や監査役、内部監査人が、それぞれの立場から適切な評価ができるシステムが構築されています。

内部統制を強化するメリット

ここまで内部統制の概要や仕組みについて紹介してきました。

そもそも、内部統制の強化にはどのような利点があるのでしょうか。ここからは、内部統制強化によって得られる利点を紹介します。

業務の可視化

内部統制を構築・強化する課程でフローチャート・業務フローを作成すると、業務内容や手順が洗い出せます

誰もが確認できるルールとシステムづくりができるため、従業員にとって業務の見直しが行いやすくなります。効率向上の邪魔をしていた要素が何なのかが一目で把握できるようにもなるでしょう。業務効率の改善に効果的です。ま

経営陣にとっても現場業務の状況がどのようなものなのかが把握しやすくなり、システムの改善を提案できます。

財務状況の可視化

内部統制を強化すると、財務状況の可視化・透明化が促進可能です。

財務状況が透明化されると投資家や銀行からの信頼性が向上し、支援を得やすくなるでしょう。

財務状況は経営の根幹につながる情報です。可視化を促進すれば精度の高い経営判断が可能です。

内部統制の徹底によって経営状況を適切に把握できるようにしておけば、状況に応じて正しい経営判断を下せます。

社内ルールの整備

内部統制を強化すると、その過程で社内における規則やルールが整備されます。

日々の業務の流れやルールなどを一挙に改善をする機会になるため、社内全体の意識改革につながるでしょう。

定期的にルールを見直せば、新しく組織に入った人にも情報が行きわたり、社内規範の浸透に役立ちます。

社内ルールの改定は不正や情報流出の防止につながります。セキュリティ向上のためにも定期的な見直しを行いましょう。

社員のモチベーションの向上

内部統制の目的は、従業員が働きやすい環境の作成です。

内部統制の課程で現場における課題の可視化および業務の効率化に取り組めば、労働にかかる時間や費用の軽減の削減が可能です。それによって働きやすい環境が構築され、社員の労働意欲が向上し、ゆくゆくは業績の底上げにつながります。

ルールの改善や周知を徹底することで、パワハラやモラハラなどを抑制できます。

社会的信用の獲得

財務状況の透明性確保やコンプライアンスの向上は、社会的信用の獲得につながります。社会的信用が高くなれば、銀行や投資家との取引や資金調達の面において有利です。

採用活動などにもよい影響がもたらされるでしょう。加えて、適切に内部統制が働いていれば、従業員にトラブルがあった際、会社に責任が無いことを証明する手段にもなります。民事責任や刑事責任の軽減にも有効です。社内における責任の所在には気を配りましょう。

内部統制の進め方

ここまで、内部統制の目的や行う利点について触れてきました。では、内部統制を強化するにはどのような作業が必要なのでしょうか。ここからは、内部統制強化の進め方を紹介いたします。

評価範囲方針の見直し

最初に、社内規定の整備や方針を見直し、非正規雇用も含む全従業員で共有しましょう。

業務において起こりうる問題点について、企業全体・部署・チームなど、複数のレベルに分けて評価すると見落としが減ります。強固な内部統制につながります。

評価範囲方針を見直す際に行うべきこととして、直近の期末決算をもとに各勘定科目の量的・質的な重要性の分析があげられます。重要性の低い拠点と重要な拠点を選定したのち、重要な勘定科目の範囲を策定しましょう。必要であれば個別評価科目を追加選定します。

決算・財務報告プロセスを評価

会社全体における内部統制の評価を踏まえて、各業務ごとの内部統制の評価を実施します。

その際、決算業務に不正がないかの確認も必要です。財務情報は組織の信用性に大きく関わる項目です。そのため入念なチェックを求められます。

会社全体からの観点での評価と、業務プロセスの評価という異なる面からチェックを行いましょう。前者では経営規模、後者では減損の検討・税効果の計算が評価対象です。

業務プロセスの統制内容の見直し

業務プロセスを見直せば、業務の分離やアクセス制限を防止できます。

見直しの際には業務記述書・フローチャート・リスクコントロールマトリックスの3点セットを作成しておくと、スムーズに進みます。

ワークフローを作成し、社内における手続きを電子化しておくと人為的なミス・不正が防止されるでしょう。より効果的です。

会社全体において内部統制が正しく機能している場合は、見直しの対象を絞り込めます。

まとめ

内部統制の強化はワークフローや財務状況の可視化、社会的信頼の向上や不正の防止など、さまざまな利点をもたらします。加えて、従業員のモチベーション向上による長期的な業績回復も期待できます。

しかし、内部統制を強化するためには厳密な業務フローの管理が必要になるため、企業規模が大きくなればなるほど管理が難しく、時間がかかるようになってしまいます。

内部統制を強化して、ミスの削減と業務の効率化を目指すなら、ワークフローシステムの導入がおすすめです。

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