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ハインリッヒの法則とはどのような考え方?活用する場面も紹介

この記事の目次

ハインリッヒの法則とは
ハインリッヒの法則の意味
ハインリッヒの法則の具体例
ハインリッヒの法則の重要性

作業現場における重大事故を防止するための考え方に「ハインリッヒの法則」があります。今回の記事では、ハインリッヒの法則の概要と重要性、企業活動に導入するメリットなどを紹介します。事故防止にお役立てください。

ハインリッヒの法則とは?

ハインリッヒの法則は、「重大な事故1件の裏には、小規模な事故や発生直前で防がれた事故が大量に存在する」という考え方です。厚生労働省が安全衛生管理の知識として紹介しています。

もともとは労働災害を防ぐための考え方でしたが、建設現場や医療の場など、人命にかかわる深刻な事故が発生しうる環境で用いられるようになりました。近年は、ビジネスにおいて品質向上や安定、事業発展を見据えた対策でも重視されています。

ハインリッヒの法則が広まった背景

ハインリッヒの法則は事故発生に関する経験法則で、1:29:300とも呼ばれます。1931年、アメリカで工場の労働災害を調査した際に、重大事故:小規模事故:未然に防がれた事故の割合が1:29:300であったことから提唱されました。

現代は当時の概念から派生しており「少数の大事故の裏に多数の軽微な事故が存在する」ことが重要な考え方とされています。アメリカで提唱された概念や数値だけでなく、未然に事故やトラブルを防ぐための対策・考え方を押さえましょう。

ハインリッヒの法則から学ぶヒヤリハットの重要性

「ヒヤリハット」はケガやトラブルにつながる可能性がある事故のうち、重大な問題には至らなかったものです。事態が起こったときに「ヒヤッと」「ハッと」することから名付けられています。

ヒヤリハットに気付ければ、重大な事故やトラブルを防げます。ヒヤリハットが起こった際は「重大な事故にならなかったからよい」と考えずに再発防止に取り組みましょう。

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ヒヤリハットとは?報告書の書き方や定着させるコツ4つを紹介

ハインリッヒの法則に関係する具体例

ハインリッヒの法則に関係する具体例を紹介

さまざまな状況における、ハインリッヒの法則を適用できる具体的な事例を紹介します。それぞれの現場において「ヒヤリハット」がなぜ起こったのかを把握し、再発防止に取り組むようにしましょう。これが、重大な事故を防ぎます。

交通事故

トラックから荷下ろし後、運転手がトラックをバックさせた際、トラック後方でまだ片づけをしていた作業者を轢きそうになりました。

この事例は、運転手が「片づけはもう済んでいる」と思い込んだことが原因で起きました。トラックの後方は死角になっていて作業者が見えない、道路に出る際の誘導者がいないなども原因です。トラックを発信させる際の周囲確認や、運転手と作業者の声かけの徹底で今回の事例は防げるでしょう。

工場での事故

工場で作業員が機械に巻き込まれる事故は少なくありません。特にローラーコンベアーやベルトコンベアーは事故が多く、命にかかわりかねません。
このような事態の多くは、「機械の電源を確認する」「機械をまたがない」「決められた通路を使う」などのルールの周知不足が原因です。安全に作業するため、ルールを見直し、ルールを作業員全員に把握させましょう。

クレーム対応

営業、カスタマー領域におけるトラブルやクレーム対応でも、ハインリッヒの法則による対応が取り入れられています。

軽微なクレームには、会社のマイナスになる要因が隠れています。今までに無いクレームが届いた場合、特殊なケースと侮らず、しっかり原因を突き止めましょう。経営陣はクレームに含まれる情報を吸い上げ、再発防止のためのルールを現場の人材に作成させる必要があります。

医療現場のミス

医療現場におけるミスは患者の命に関わります。軽微な物であっても見逃さずに再発防止に取り組みましょう。

具体的なミスとして、患者への投薬ミス、院内での転倒事故などが考えられます。医療現場はチームで取り組むため、現場や組織全体でミスが起こらない環境づくりを心掛けましょう。
ミスが起きればレポートを提出し、過去のインシデントを参考にして対策を練ります。

ハインリッヒの法則を企業活動に活かすメリット

日頃からハインリッヒの法則を意識すると、企業活動にさまざまなメリットをもたらします。
ここからは、ハインリッヒの法則によって得られるメリットをいくつか紹介いたします。

ビジネスチャンスの創出

小さな意見やトラブルに向き合うと、顧客のニーズが見つかります。顧客のクレームやトラブルの内容を把握すれば、新規商品の開発のヒントになるでしょう。大きなクレームも防止できます。
日頃の小さな発見は、ビジネスチャンスにつながります。顧客に対する誠意ある対応は、長い目で見てよい効果をもたらすでしょう。小さな要望も記録して、今後に活かす姿勢を持ちます。

社員のリスク管理力の向上

事故は突然起こりません。日常に潜む小さな要因がきっかけとなり起こります。事故を防ぐには、社員全体で事故要因を見逃さない意識が必要です。
組織全体の危機意識の向上のため、従業員一人ひとりが軽微な事態を見逃さない精神を抱きましょう。社内全体の危機管理能力が高まると、事業の継続において有利になります。トラブルを最小限に抑えた企業活動を行えるでしょう。

顧客と信頼関係の構築ができる

顧客からのクレームは、その後の対応や対策方法によってチャンスに発展します。

小さな要望やクレームであっても即座に対応しましょう。顧客からの好評価を導きます。
どんなクレームも見逃さず改善すれば、潜在的な不満も改善されます。改善の繰り返しは、長い目で見れば優良顧客の獲得につながるでしょう。顧客対応時には誠実さを心掛けてください。

ハインリッヒの法則を企業活動に活かす方法

作業現場で「ヒヤリハット」が起こったら、「次は大事故になるかもしれない」
という観点を持ちましょう。ここからは、事故防止において押さえるべきポイントを解説します。

どんな小さいミスでも報告するルールにする

軽微な事故や事故を防げた事例も、いつどこで何が起きたのかを報告書にまとめましょう。小さなミスでも報告する取り決めを設定すると、事故の原因が見逃されにくくなります。

管理者側は報告されたミスに乗っ取って、ワークフローやルールが不適切なものになっていないかを確認します。ルールが古ければ新しいルールを決め、作業者に周知しましょう。

業務マニュアルの作成

ヒヤリハットを減少させるには、報告と対策が欠かせません。対応マニュアルや過去のクレーム対応記録を活用して、トラブル発生時に参照できるようにしましょう。未然にトラブルを防げます。よくあるトラブルやミス、見逃しやすい注意点をまとめたチェックリストを作成するとより効果的です。

ミスやクレームが発生したら必ず報告し、マニュアルを確認するという流れを確立すれば、日常におけるトラブルを回避できます。

情報共有を行うツールの導入

日常のミスを減らすには、社員が使いこなせる仕組み作りがとても重要です。
IT操作が苦手な社員でも使用できるツールを導入し、報告のスピードや操作スピードを高めましょう。見やすさと入力しやすさを兼ね備えた簡単なフォーマットを用意することで、ヒヤリハットの減少に効果的です。

ツールを導入した後は、定期的に状況をモニタリングし、必要であればフローの更新や課題の洗い出しも継続的に行いましょう。

ワークフローシステムの導入

ヒヤリハットの報告に紙の書類や口頭を使うと、情報の共有に時間がかかります。時間のロスが発生し、ヒヤリハット報告の重要性が定着しません。

ワークフローシステムを導入して、デジタルデータで報告ができるようにしましょう。移動や印刷の手間が省けます。報告までの流れがスムーズになり、重大なミスの取りこぼしを減らせます。ワークフローシステムは、業務の流れ周知にも効果的です。

ハインリッヒの法則に類似する法則

ハインリッヒの法則に似た言葉がいくつか存在します。
これらは調査した年代や状況が異なりますが、少数の大きな事故の背景に大量の未然の事故が存在することを示しています。ハインリッヒの法則と同じように事故防止を唱える概念として使われる言葉を紹介します。小規模事故報告の重要性や事故防止への意識を高めるためにお役立てください。

バードの分析

バードの分析は、フランク・バード・ジュニアによって1969年に発表された分析結果です。21業種の297社から寄せられた175万件の事故報告を分析しています。非常に広い範囲を分析した結果を示した概念です。
この分析において、重傷の事故1件に対して軽傷の人的被害が10件、物損のみの事故が30件、人やものへ被害がないものが600件でした。ハインリッヒの法則と数字は異なりますが、重大事故と未然に防がれた事故の関係を示した概念です。

タイ・ピアソンの法則

タイ・ピアソンの法則は、イギリスの保険会社が保有する事故データ約100万件を分析した結果です。この分析において、重症事故1件に対して軽傷の人的被害は3件、応急処置が必要な事故は50件ありました。物損のみの被害は80件、人・物への被害がないものは400件発生しています。
こちらも重大事故と未然に防がれた事故の関係を示した概念です。ハインリッヒの法則と同様、事故防止のために意識しましょう。

ドミノ理論

ドミノ理論は、「AならBが起こる・BならCが起こる・CならDが起こる」=「AならDが起こる」という連鎖を示した論法です。

「事故を防ぐには不安全行動や不安全状態を是正すべき」という意味で使われます。ドミノ理論にしたがうと、事故直前の状況が起これば軽微な事故が起こり、軽微な事故が起これば重大な事故が起こると考えられます。簡単に言うと、「事故直前の状況で対策しよう」という考え方です。

割れ窓理論

割れ窓理論とは、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士が提唱した考え方です。
一枚の窓ガラスが割れていると割れていることが気にならなくなり、いずれ建物や街全体が荒廃する考えを指します。そこから転じて、「小さな事故要因の排除は徹底したほうがよい」という考えとして使われます。

小さな事故を放置するとやがて大きな事故が起こるでしょう。ルールや環境は、ヒヤリハットが起こるたびに見直しましょう。

まとめ

小さな事故・事故未満の事例の対策をしないと、いずれ大きな事故につながります。事故防止のために、状況の報告を徹底しましょう。

ワークフローシステムを導入すると報告業務の負担が軽減され、情報の共有や分析を簡単に行えます。システム導入によって情報共有のハードルが下がれば、事故防止に役立つでしょう。ワークフローシステムは、是非株式会社コラボスタイルが提供するワークフローシステム「コラボフロー」をご検討ください。

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