導入事例
船舶関連備品の発注業務をコラボフローでDX! 申請から決裁までのスピードが10分の1に短縮
この記事のサマリー
- 現場の乗組員が“誰でも使える” 利便性が決め手に
- 在庫管理システム「zaico」と併せた運用で入出庫管理も速く正確に
- 承認までの時間は10分の1以上に短縮!情報共有の改善により、安全対策面も向上へ

(写真左から)
海務部 工務課 課長代理 波戸 勇喜様
海務部 工務課 課長代理 力丸 賢一様
九州北部と壱岐対馬を結ぶ航路を安定維持し、両島の経済、生活、文化を支える企業
九州郵船株式会社は、博多、唐津を中心に壱岐対馬への船航路事業を担っている企業です。創業大正9年より、長年にわたって地域の人々の海上交通と生活を支え続けていらっしゃいます。

今回は、九州郵船株式会社 海務部 工務課の波戸様と力丸様とに船舶の維持管理における監督業務や運航管理補助業務でのコラボフロー活用についてお伺いしました。
コラボフローを導入した背景
仕組みによる課題解決のために、発注フロー改善プロジェクトを立ち上げ

波戸様:
弊社は離島航路事業を担い、船舶の整備も自社でおこなっています。私は長年整備長を務めてきましたが、その中で一番の課題だと感じていたのが、部品の発注手配や申請に膨大な手間と時間がかかることでした。
在庫不足を事前に把握できないために必要部品の不足が発生することや、発注ミスなどで手続きに戻りが発生すると、納品まで数ヶ月かかってしまうこともありました。
乗組員が頻繁に入れ替わる業務特性上、引継ぎがうまくいかず「過去に何を頼んだか」「修理の途中経過はどうなっているか」といった情報が個人の記憶に依存し、消失してしまうことも常態化していました。
ミスや問題が発生するとつい人のせいにしてしまいがちですが、私としては「問題は業務の仕組みにある」と常々考えていました。
そのため、今回取り組んだDXの最大の目的は、単なる効率化だけでなく「仕組みの問題によって人が責められてしまう」状況を変え、人材定着やハラスメント防止につなげることにありました。
1年ほど検討を重ね、船舶整備のための備品発注フローを改善することがいかに重要かを説明する資料を作成し、上司を説得しました。その結果、2025年2月ごろに発注フロー改善プロジェクトが正式に立ち上がり、コラボフローを含むシステム導入を経て、業務改善の実施にまでこぎつけました。
コラボフロー選定のポイント
乗組員が“誰でも使える” 利便性が決め手に
波戸様:
導入時には、「システム管理者が使えるか」ではなく、「乗組員が使って心地よいか」を最優先に選定しました。
弊社には情報システム部門に該当するシステム専門部署が無いため、新システム導入にあたって、各現場へ手厚いサポート体制を提供することは難しいです。そのため、ITやシステムにあまり詳しくない乗組員でも直感的に簡単に使いこなせるシステムを導入することが、とても重要でした。
選定のために比較検討した他社システムには、もっと機能が豊富なものもありました。しかし、その機能の多さが複雑さにも繋がり、却って現場が混乱して使いこなせず、導入しても製品を活かせない、つまり最終的には導入失敗に繋がるリスクがあると考えていました。
その点、コラボフローは必要な機能は過不足なくしっかり揃っており、全体的にシンプルで非常に扱いやすいと感じました。
また、申請フォームを作成する際に、使い慣れているExcelや、登録すれば今までの印影の画像を利用できる点も重要でした。今までの申請書の見た目を活かし、印影も付けた状態でシステム化できるので、使う側にとっては申請画面の見た目が今までの申請書と近く、システム化へのストレスを低減し、スムーズに慣れ親しんでもらうことに繋がりました。
コラボフロー活用方法
月間約500件の申請で、業務を支えるツールに成長

波戸様:
導入時、まず1隻の船で1ヶ月トライアル運用期間を設けました。
帳票は4〜5種類ほどに絞り、用途も船の整備に関する部品調達関連が中心です。
人数を限定して短期集中でトライアルを実施した結果、その利便性が口コミで社内へ伝わり、他の船からも「早くうちの船でも使いたい」との声が聞かれるようになりました。
このトライアル期間を設けたことで、社内でコラボフローを稼働する感触やユーザーの反応、期待値を掴めて良かったと思います。トライアルで見えた問題点も踏まえて改良を加え、スムーズに本稼働へ進めることができました。
その後運用も定着し、今では乗組員が月間約500件を超える申請をおこなっています。
力丸様:
承認依頼が来ない日はないぐらいに、毎日皆さんに活用してもらっていますね。
PC、iPad、スマートフォンを各船に配備し、どこからでも申請・確認ができる環境を整え、使い方は各船へレクチャーしましたが、操作も直感的で分かりやすく、現場でよく使ってもらえています。
備品購入の申請から内容確認、発注、受領までの一連業務をコラボフロー化

波戸様:
船から備品の購入依頼を受ける際の、一連の業務をコラボフローで運用しています。
船から申請があると、陸側で詳細を確認して購入を手配し、船へ納品、船側で受領確認をおこないます。複数の申請書を転記機能で繋ぎ、データをコピーして次の申請書を作成しています。
手入力が減った分、入力ミスや手間を削減し、データの正確性が向上しました。
また、関連文書タブに各申請書の相互リンクが生成されるので、一案件に対する関連文書が自動で紐づけられるため、後で内容を確認する際にも便利です。
クラウド在庫管理システム「zaico」と併せた運用で、入出庫管理も速く正確に
波戸様:
コラボフローの導入と併せて、船の整備備品などの在庫を管理するために、クラウド在庫管理システム「zaico」を導入しました。
備品注文時には、zaicoから出力したCSVデータをコラボフローの申請時に「Excel添付取込」機能で取り込み、帳票出力で注文書を自動作成する形で運用しています。
参考)クラウド在庫管理システムzaico https://www.zaico.co.jp/
備品は数万件の数があり、これまではAccessで管理し、カタログと併せながら番号を手書きやFAXで対応していたのですが、FAXだと画像が粗く型番が読み取りづらいこともあり、転記ミスで違うものが届いて再手配が必要になるなど、納品まで時間を要するケースもありました。 コラボフローとzaicoではExcel、CSVでデータを利用できますので、手入力によるミスを大幅削減できたのも大きな効果だと思います。
申請書内に相談履歴を残す「やりとりログ」
波戸様:
申請書は、通常の申請・承認目的だけでなく、「申請内容を確認するコミュニケーションツール」「やり取りログ」としても活用しています。
コラボフローの標準機能に相談機能や、判定者によるコメント機能がありますが、申請内容の確認では何度もコメントを往復してやり取りすることが多く、申請書上に情報を集約したいこともあって、あえて申請フォーム上に相談欄を設け、差し戻し機能と組み合わせて運用しています。
具体的には、船側から備品手配の申請があった際、申請者(船側)と手配担当者(陸側)が、差し戻し機能を使って申請書を往復させ、フォーム上の相談欄にそれぞれが入力する交換日記のような形式でやり取りをおこない、申請書の詳細や仕様などを確認します。相談が終わったら「決了(承認)」を押下し、相談段階を終えて、申請書を次の判定者へ進めます。
この動きをおこなうための設定方法は、申請フォーム内に「相談用の入力欄」を設け、経路には相談段階の判定アイテムを設置し、「相談用の入力欄」の編集許可をONで設定し、「差し戻し」ボタンの名称を「本船へ返信」に変更しています。そのため差し戻し機能を活用していますが、ユーザーは「差し戻し」をおこなっている感覚は無いと思います。
力丸様:
実際、申請を受けて購入手配をする際に船側へ確認したいことは多く、例えば「希望製品が廃版のため、代替品はこの製品になる」といった詳細な確認もおこないます。
こういったやり取りを全て申請書内に記録しておけるので、次に類似の申請が来たときに過去の申請内容を参考にできます。その点でも「やりとりログ」は非常に重宝しています。
コラボフローの導入効果
承認までの時間は10分の1以上に短縮 情報共有の改善により、安全対策面も向上へ
波戸様:
何よりの効果は、申請から承認までのリードタイム短縮です。
申請開始から決裁完了までの時間は、従来の10分の1以上にまで短縮されました。1日で決裁が下りるなんて、以前なら考えられませんでした。
以前は各船に書類を積んで回していく社内便を運用していましたが、書類を積んだまま定期点検でドックに入ってしまうと、長ければ1ヶ月以上戻って来ず、急ぐ案件は結局電話でやり取りして進めることになり、申請書と実務にズレや間違いが起きやすい状況でした。
それが全く無くなったのは大きな成果だと思います。
また、情報共有の手段が増えたことで、スマートフォンで撮影した画像や動画を添付して共有できるようになった点でも便利になりました。
例えば船で「異音がする」際には、どんな音か動画添付で共有できますし、対応を検討する上でも状況が分かり易くなりました。結果的に安全対策面の向上にも寄与していると思います。

力丸様:
社内からの電話での問い合わせが激減したのも大きな導入効果です。
以前はひっきりなしにかかっていた確認電話が減ったことで、本来の業務に集中できるようになりました。
また、「いつ・誰が・何を」判断したかが全てコラボフローの申請書上に残るため、担当者が変わっても過去の経緯をすぐに追えるようになり、業務と情報ブラックボックス化が解消され、情報の可視化・資産化に大きく貢献していると思います。
今後の展望
さらなる使いやすさを目指し、社内への普及と活用促進へ

波戸様:
まずは工務課内でのスモールスタートでしたが、月間500件を超える利用実績と業務改善という明確な「成果」が出たことで、他部署へも展開しやすい土壌が整ってきましたので、会社の業務改善への波及も期待しています。
まずは用途を広げながら、現場がより使いやすい環境を目指し、改良を続けていく予定です。
力丸様:
私は“導入されたシステムを使う側”なので、提供してもらった仕組みをフル活用して状況をフィードバックすることで、さらなる業務効率化や改善をアシストできればと思っています。
使われないシステムは忘れられてしまいますので「私でも使えるのだから、皆さん大丈夫ですよ」と声をかけて、社内への普及や活用促進に貢献したいですね。
お客様情報
| 社名 | 九州郵船株式会社 |
|---|---|
| URL | https://www.kyu-you.co.jp/ |
| 事業内容 | 【定期航路事業】博多・壱岐・対馬航路、印通寺・唐津航路、博多・比田勝航路 【郵便運送事業 】 |
| 公開日 | 2026年02月27日 |
