導入事例
年間26,000件以上の申請をペーパーレス化! 大幅なコスト削減と場所を問わない決裁で大学運営の効率化を実感
この記事のサマリー
- 親しみやすい操作性と、他システムとの連携性、充実したサポートが選定の決め手に
- REST API活用で、コラボフローとCampusPlan、学内クラウドを連携
- コラボフロー導入により、大幅なコスト削減と透明性の高い決裁プロセスを実現

情報教育センター長 教授 総務・企画部 情報戦略課 課長 住吉 孝次様
一人ひとりの個性を大切に社会に貢献できる人を育てる、地域に根ざした私立大学
四国大学は、建学の精神「全人的自立」のもと、社会で活躍するための基盤となる知識と実践力を備えた人を育てることを教育指針とする、徳島県の私立大学です。同校では2021年から「四国大学DX推進計画」を掲げ、ペーパーレス化とワークフロー導入による業務効率化に取り組んでいます。

今回は、同校でDXを主導なさった情報教育センター長 教授 総務・企画部 情報戦略課 課長 住吉様に、コラボフローを導入した背景から具体的な成果まで、詳しくお話を伺いました。
コラボフローを導入した背景
紙での業務運営による膨大なコスト削減と業務効率の改善を目指して

住吉様:
本学では年間約500万枚という膨大な枚数の紙を購入しており、その費用やそれに伴う印刷コストが大きな課題になっていました。
また、広大な敷地に複数の建物が点在する本学では、紙での決裁のために本館への移動が必要で、この移動時間による業務効率の低下も無視できない状況でした。
そこで、2021年に「四国大学DX推進計画」を掲げ、ペーパーレス化とワークフロー導入を重点的に推進することになったのです。当時は他社のワークフローシステムをお試し導入していたのですが、操作性の問題から簡単な帳票を作成するのにも4時間も要しており、DXが思うように進まない状況に陥っていました。
コラボフロー選定のポイント
親しみやすい操作性と、他システムとの連携性、充実したサポートが決め手に
住吉様:
ワークフローシステムを選定する際に最も重視したのは、教職員が使い慣れたExcelベースで帳票設計ができ、また、簡単な操作で柔軟な経路設定を実現できることです。
また、APIの仕様が公開されており、他システムとの連携が可能であること、サポート体制の充実度なども、選定における重要な条件でした。
お試し導入していた既存システムからの移行という重い決断を要しましたが、本学の最大の課題となっていた複雑な決裁ルートを持つ「原議書(いわゆる起案書)」をコラボフローに設定し運用していくにあたっては、コラボスタイル社から具体的なアドバイスをいただけたことで、改善への道筋がイメージでき、導入に至りました。
導入時もコラボフローの各種サポートを利用でき、問い合わせ窓口や専門知識を持つ担当へ質問や相談ができる環境が整っていたことも、安心して導入を決断できた大きな要因ですね。
コラボフロー活用方法
各部署の業務特性に応じた多様な申請書類の電子化を実現

住吉様:
現在、10部署で62の帳票を運用しており、360名ほどの職員がコラボフローを活用しています。総務課の原議書や旅行命令書をはじめ、経理課の物品伝票、支出伝票など、各部署の業務特性に応じた多様な帳票を運用しています。
特に複雑な決裁ルートが必要な原議書については、マスター管理機能を効果的に活用することで、最終決裁権者が変わるパターンにも柔軟かつ簡単に対応できるようになりました。
こうした成功の要因として、職員が慣れ親しんできたExcelを利用してコラボフローの帳票を設計できることが大きく影響していると考えています。
おかげで研修も最小限に抑えることができ、2時間程度の研修を実施しただけで開発者として必要な基本操作を習得してもらえました。
人事異動の際に、研修を受講した者が新しいメンバーに知識を伝達することで、組織全体のスキルが自然に向上しています。現在では、各部署がテスト環境でコラボフローの申請書や帳票を開発し、総務課や情報戦略課のサポートを受けて本番環境に移行して利用可能な形にすることで、コラボフローの設定を担当するメンバーの自律性と統制のバランスが取れた運用体制が根付いています。
RESTAPI活用で、コラボフローとCampusPlan、学内クラウドを連携運用
住吉様:
大学を運営する際に必要な申請書や、教職員による申請書等全般をコラボフローで運用していますが、当校の場合、大学DXを進めるうえで最重要となるデータドリブンな自動連携の実現に力を入れています。
具体的には、学校業務トータルシステム(学務システム)『Campus Plan(キャンパスプラン)』の予算執行サブシステムと、コラボフロー、電子帳簿保存法に対応した学内クラウド上のDECOアーカイブを連携させています。

CampusPlanの予算執行サブシステムで予算執行票を起票すると、コラボフローのREST APIによって、コラボフローに予算執行票の内容を転記した原議書の下書きを作成します。申請者が申請し、途中で証憑ファイルなどを追加添付し、申請書の判定が進む度にコラボフローのWebhookによってCampusPlan側の予算執行票のステータスを更新します。
コラボフローの最終決裁完了時は、REST APIで電子帳簿保存法対応の保管クラウドサービスDECOアーカイブへ証憑となる添付ファイルとメタ情報を保管します。
同時に、CampusPlan側にも当該予算執行票のステータスを決裁済に更新し、この後はCampusPlan側で業者への支払いサブシステムに自動で伝票を作成し、後続処理がおこなわれていきます。
最終的には、会計伝票の証憑書類などの添付ファイルを中継フォルダを介して、DECOアーカイブにも保存しています。
案件の情報を自動で各処理へ渡し、添付ファイルの保存作業も自動化しています。
コラボフローの導入効果
大幅なコスト削減と透明性の高い決裁プロセスを実現

住吉様:
導入から3年ほどが経過し、期待を大きく上回る成果を実感しています。
定量的な効果では、年間26,613件の申請処理において122,419枚の紙の削減を実現しており、紙代だけで約100万円以上のコストを削減できました。
しかし、最も大きな効果は人件費の削減で、コラボフローによる業務効率化によって1件あたりの処理時間が30分ほど短縮され、年間約4,000万円という大幅なコスト削減を達成しています。
さらに定性的な効果として、申請業務の標準化が進み、従来複雑だった手続きが大幅に簡素化されました。
また、ワークフローを整備したことで決裁プロセスの透明性も向上し、申請がどの段階にあるかリアルタイムで把握できるようになったのです。
さらに特筆すべきは、スマートフォンを活用して決裁が可能になった点です。これにより、時間や場所の制約を受けない迅速な意思決定が可能となり、組織全体の業務効率が向上しました。
尚、上記の内容も含め、コラボフローの導入効果については学内に論文寄稿していますので、ご興味ございましたらご覧ください。
【四国大学におけるDX推進がもたらしたグリーン・トランスフォーメーションにおける効果検証】
https://shikoku-u.repo.nii.ac.jp/records/2000062
今後の展望
生成AIの活用とさらなるデータ連携を通じて、新たな大学運営モデルの構築を目指す
住吉様:
今後は、コラボフローを中心としたシステム連携をさらに拡充していく方針です。
コラボフローはワークフローシステムとして非常に使いやすいですが、そのままではあくまでデジタイゼーションとして、紙を電子に置き換えただけになります。
そこを昇華し、DXを通して大学の経営改革につなげるためには、データドリブンな他システムとの自立的な連携が絶対に必要です。そのためには、転記作業が発生しているような業務箇所は、転記作業が発生しないように連携を進めていく必要があると思います。現在も会計システムなどとの連携により転記作業の削減を進めていますが、さらに多くのシステムと接続することで、教職員の負担軽減を図りたいと考えています。
また、AIを活用した業務効率化にも力を入れていきたいですね。
同時に、各部署で蓄積される申請データを有効活用し、ビッグデータとして大学運営の改善に役立てる仕組みづくりも重要な課題と認識しています。
こうした取り組みを通じて、デジタル技術を活用した新たな大学運営モデルの構築を目指していきます。
お客様情報
社名 | 学校法人四国大学 |
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URL | https://www.shikoku-u.ac.jp/ |
事業内容 | (設置校):四国大学、四国大学短期大学部、四国大学附属認定こども園 |