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- 承認ワークフローとは?主な仕組みと重要性、フローの作り方
承認ワークフローの導入に悩んでいませんか? ビジネスプロセスの効率化や意思決定の迅速化を図るうえで、承認ワークフローは重要な役割を果たします。 この記事では承認ワークフローの概要や重要性、承認ルートの種類から導入の注意点までを解説します。
この記事の目次
承認ワークフローとは、申請された案件が承認され、最終的に決裁されるまでの一連の流れを指します。
一般的に、申請内容に応じて承認者が設定され、その承認ルートの経路を示したものをワークフローと呼びます。
申請内容を提出してから実際に承認を得るまでの流れを可視化できるため、誰がどの段階で承認するのかが明確になります。
ちなみに、多くの企業は職務権限規程に則って承認ワークフローを構築しています。
職務権限規程は、各職位や役職に応じた承認や決裁の権限を明確に定義しており、これらの権限をもとにフローが決められます。
承認ワークフローは、業務を円滑かつ安全に進めるために欠かせない仕組みです。
そんな承認ワークフローがなぜ業務で重要視されているのか、その主な理由を解説します。
承認ワークフローを標準化すると、申請から承認・決裁までの手続きが誰でもわかりやすくなり、重複作業や入力ミスといった無駄が減ります。
特にワークフローを紙ベースで運用していた場合は、書類の受け渡しにかかる時間を短縮できるため、全体的なスピードアップが見込めます。
また、承認手続きをシンプルかつ確実に進める仕組みが整っていれば、担当者の不在や申請ルートの曖昧さによって業務が止まってしまうリスクも減らせます。
結果として業務全体の効率が向上し、より重要な業務にリソースを割きやすくなるでしょう。
どのポジションの承認者が、どのステップで承認を行うのかが明確化されることで、万が一問題が発生した際にも迅速に対応できます。
承認ルートを決めておけば「誰が最終的な責任を負うのか」がわかりやすくなります。
また、承認の記録がしっかり残ることで、後から振り返ったときの検証や改善にも役立ちます。
承認記録の保存は組織運営の信頼性を高めます。
一つの申請に対して複数の視点から確認できる承認フローを整えることで、不正や情報漏えいのリスクを効果的に抑えられます。
申請内容を複数名でチェックすれば、もし意図しない内容やミスがあっても早期に発見しやすくなるでしょう。
多重チェックでリスクを最小限に。
承認ワークフローは、その承認ルートによっていくつかの種類に分かれます。
シンプルなフローで済むケースもあれば、金額や重要度によってルートが変わる場合もあるため、状況に応じた仕組みづくりが大切です。
ここでは3つの代表的な承認ルートを見ていきましょう。
直線型の承認ワークフローは、申請から決裁までのルートが一直線に並んでいるシンプルな形態です。
申請を受けた承認者が順番に承認していき、一般的に承認ごとに承認者の役職が上がっていきます。
例えば、一般社員が直線型フローで経費精算申請を行う場合、最初に課長が承認し、次に部長が承認、最後に経理部門が決裁するといった流れが多いです。
直線型フローは段階を踏んで承認フローが進んでいくため、どのタイミングで誰が承認したのかが明確になりやすい特徴があります。
並列型の承認ワークフローは、複数の担当者や部署が同時に承認作業を進められるルートです。
並列型のメリットは承認プロセスの時間短縮が図れるほか、多角的な視点からの検討が可能になる点などが挙げられます。
したがって緊急度が高い案件や、スピード重視で意思決定したいケースに有効と言えます。
一方で、並列で承認を行う分、意見の相違が生じた場合の調整方法をあらかじめ決めておく必要があります。
多角的な検討がポイントです。
条件分岐型の承認ワークフローは、申請内容や金額、リスクの程度などによって承認ルートを切り替える方式です。
例えば、出張申請の場合、国内出張と海外出張で承認ルートを分けたり、経費精算では金額に応じて承認者を変更したりする方式が条件分岐型ルートに該当します。
柔軟な承認プロセスの設定が可能で、案件の重要度に応じた適切な承認フローを自動的に選択できることが特徴です。
ただし、条件設定の仕方次第によってはフローが複雑になりすぎて管理が難しくなる懸念もあります。
効果的な承認ワークフローの作成は、業務効率の向上と適切な意思決定プロセスの確立に不可欠です。
ここかは、準備段階から実装、検証に至るまでの具体的なステップを解説します。
承認ワークフローを設計する前に、まずは現状の業務フローを整理し、どういった点で承認が必要なのか洗い出します。
申請書類の種類や承認にかかる時間、担当者の負荷などを客観的に評価すると、改善の方向性が見えやすくなります。
ヒアリングを通して現場の声も取り入れながら、最終的に達成したい目的を明確にすることが重要です。
誰がどのような案件を承認するのか、各担当者の職責に応じた基準をはっきりさせます。
例えば小規模な案件は課長レベルで承認し、大規模な案件は役員や社長の承認に進むといったルールを設定します。
こうした設定は、承認プロセスの抜けや二重承認といったトラブルを未然に防ぐ目的で行います。
承認者を明確にする際は、組織図や職務権限規程を参照しながら、各申請タイプに対する適切な承認者を特定します。
併せて代理承認者の設定や、承認者が不在の場合の対応方法なども検討しましょう。
基準とルールの明確化が重要です。
案件の性質や規模に合わせて、直線型、並列型、条件分岐型といったルートを構築します。
承認ルートの選定にあたっては、業務の重要度やリスク、スピード感などを総合的に考慮することが重要です。
柔軟なルート選定で業務効率化を実現しましょう。
承認ワークフローの運用を開始したら、定期的に検証と調整を行います。
問題点が見つかった場合は、速やかに承認ルートを修正します。
定期的な見直しと調整を行えば、より効率的で適切な承認プロセスを維持し、組織全体の生産性向上につなげることができます。
見直しと改善が大切です。
紙の申請書類による承認は昔からよく使われていた手法ですが、業務効率の面でデメリットが多いです。
ここからはどのような課題があるかを見ていきましょう。
紙ベースのフローでは、現在どの段階で誰が承認中なのかを随時追うのが難しいです。
特に複数部署をまたぐ承認プロセスでは、進捗管理に想定以上の手間と時間がかかりがちです。
進捗の見えにくさが大きな課題です。
紙を使ったフローでは、印刷やファイリング、保管スペースの確保などに費用がかかります。
長期間の保管が必要な書類であれば、さらに保管コストは増大し、書類の検索や更新時の手間も大きくなってしまいます。
コスト増大に注意しましょう。
承認者が遠隔地に出張している場合など、紙の書類が手元にないと承認が進まないというケースも多々あります。
急いでいる案件でも、承認者が戻るまでフローを進められず、業務が止まってしまうリスクにつながります。
遠隔地での停滞に注意。
現在は、承認フローをシステム化している企業が多いです。
デジタル化された承認プロセスは、従来の紙ベースの手続きと比較して、スピード、正確性、管理の容易さなど、さまざまな面で優れています。
ここからはシステム導入による主要なメリットについて詳しく解説します。
電子化によって申請から承認、決裁までのプロセスがスピードアップします。
承認依頼や承認作業をオンラインで行えるため、わざわざ書類を印刷して持ち運ぶ必要がなくなります。
さらに、システムには承認者の自動割り当て機能が搭載されていることが多いです。
自動割り当て機能があるシステムであれば自動的に次の承認者にタスクが通知されるため、承認の遅延や忘れを防ぐことができます。
スピードアップで効率向上。
システム上では常に最新の承認ステータスが確認できるため、どの申請がどういったステータスで、誰の作業中なのかをリアルタイムで把握できます。
透明性が高い承認フローを実現することで、組織全体のコミュニケーションも円滑になるでしょう。
リアルタイム管理で業務効率アップ。
紙ベースの承認フローで発生する印刷費や保管スペースのコストが削減できます。
管理する書類の量を減らせるため、必要書類の検索や監査対応もしやすくなります。
さらに、ペーパーレス化は環境負荷の低減にもつながります。
コスト削減と環境配慮の両立が可能です。
システムによる自動チェック機能を活用することで、承認金額の上限超過や必要書類の不備などを事前に防ぐことができます。
承認プロセスのシステム化によってアクセス権限を細かく設定し、承認履歴を記録できるので、不正アクセスや改ざんのリスクを抑えられます。
システム上で、誰が、いつ、どのような判断を行ったかを正確に追跡することが可能です。
アクセス権限管理で安心運用。
承認ワークフローシステムの導入は、働き方改革の推進にも大きく寄与します。
リモート環境での申請や承認が可能になるため、在宅勤務やフレックスタイム制などの柔軟な働き方がしやすくなります。
柔軟な働き方の実現へ。
承認ワークフローシステムの導入には多くのメリットがありますが、知っておきたい課題も存在します。
最後に、主要なデメリットとその対策について詳しく解説します。
システムは導入時の初期費用だけでなく、運用・保守・アップデートといった継続的なコストも発生します。
さらに、承認ルートの設定や社内ルールの整備、従業員への周知・教育にも時間と手間がかかります。
これらの負担を軽減するためには、必要最小限の機能に絞ったシステム選定と、段階的な導入が有効です。
無駄なコスト抑制がポイントです。
オンライン上での承認業務は利便性が高い一方で、情報漏えいや不正アクセスのリスクも伴います。
安全に運用するには、アクセス制限や通信の暗号化など、強固なセキュリティ機能を備えたシステムを選ぶことが前提です。
また、利用者一人ひとりのセキュリティ意識を高めるため、定期的な研修や社内ルールの見直しも欠かせません。
セキュリティ対策は必須です。
承認ワークフローの効率化は業務全体の生産性や透明性に大きく貢献します。
承認ワークフローを整備すると、申請から承認・決裁までの業務が合理化され、組織全体のコスト削減やリスク低減にもつながります。
紙ベースからシステムへ移行する際は、導入コストやセキュリティといった検討事項が多いため、初期段階で十分に調整を行うことが成功のポイントです。
ぜひ自社のプロセスを見直し、適切なフローの構築を検討してみましょう。
ワークフローシステムを活用し、稟議書の申請・承認業務の効率化を進めてみてはいかがでしょうか。
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