意思決定とは?ワークフローでスピードと正確さを両立する方法

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意思決定とは?ワークフローでスピードと正確さを両立する方法

ビジネスに限らず、日々の暮らしでも私たちはいくつもの意思決定をしています。意思決定に第三者が関わる場合、どのように意思決定をするのか悩むことがあるでしょう。

この記事ではビジネスにおける意思決定と、意思決定に至った経過の可視化について解説します。

意思決定とは

意思決定とは、ある目標達成のために数ある選択肢から最善を選ぶ行為を指します。

日常における意思決定としては、今日のランチは和食にするか洋食にするか、今日は残業をするか定時で帰るかなど挙げればキリがありません。人はあらゆる選択をするうえで情報収集をし、検討を重ね決断をします。

日常における意思決定は、上記のランチの例の様に比較的個人的で影響範囲も限られたものがほとんどです。しかし、ビジネスにおける意思決定は、選択を誤れば会社全体に大きなリスクが伴う点が大きな違いといえるでしょう。

次にビジネスにおける意思決定について詳しく解説をします。

ビジネスにおける意思決定

ビジネスシーンにおける意思決定は、限られた時間内で行われます。生産性の高い仕事や経営方針を決めるなど、さまざまな場面で意思決定が求められます。
より良い意思決定を行うためには、以下のプロセスを踏むとよいでしょう。

 1. 問題や課題を明確にする

 2. 情報を収集する

 3. 代替案を特定する

 4. エビデンスやデータの分析をする

 5. 代替案を選択する

 6. 実行する

 7. 実行結果の評価・改善をする

正しい意思決定を行うためには、信頼性のある情報を収集し、複数の解決策を検討します。次にそれぞれの案について、数値やデータ(売上データや統計、市場調査など)を根拠とする施策や解決策を選択し実行に移しましょう。実行した後も結果を評価し、必要に応じて改善策を検討することが重要です。このプロセスを踏むことで、より精度の高い意思決定が可能となります。

意思決定の類語・関連用語・対義語

意思決定に関する類語や関連用語は、以下の通りです。

稟議
ボトムアップ型の意思決定プロセス。個人の権限では決められない内容に関して、関係者の承認を得てから最終決裁を得る方法。
決裁
申請や起案した内容に対し、許可または不許可の判断を下すこと。
合議
複数人で意思をまとめるプロセス。2人以上の人間が集まって相談すること。
合意形成
互いの意見を納得する形で一致させること。関係者の納得を得る意思決定手順の一つ。
承認フロー
誰が書類作成をし、誰が申請して誰が承認するかという流れをまとめたもの。
ワークフロー
承認フローなど一連のプロセスを自動化・効率化するシステム

ビジネスにおける意思決定は行為そのものよりそのプロセスを指すケースが多いため対義語となる言葉は存在しませんが、一般的な意味でなら「優柔不断」や「躊躇」が対義語となります。

意思決定の重要性が高まるワケ

現代では、DXやAIをはじめとしたデジタル技術が急速に発展しています。今後もテクノロジーは発達し続け、消費行動の変化・複雑化してくるでしょう。

そんな時代の企業活動では、今まで以上に素早い意思決定とデータに基づいた客観的な分析が今まで以上に重要な役割を担います。顧客の動向や売上などデータを活用することで、客観的に物事を判断でき、迅速な経営判断ができます。

全ての企業がDX化に成功してるワケではない

デジタル技術や情報を活用した意思決定の重要性は増す一方、必ずしもDX化によって企業が潤うとも言い切れません。

アメリカの有名経済メディアであるForbesによると、これまで企業がDX化のために投資した金額は140兆円と言われています。140兆円投資したものの、このうちおよそ7割、97兆円は成果をあげていません。単にデジタル技術に投資をしても、それ相応の成果が上がるわけではなく、企業の意思決定は複雑さを増しています。

裏を返せばデータを上手に活用すればするほど、ビジネスチャンスを掴める可能性があるといえます。

参考
Forbs:デジタルトランスフォーメーションが失敗する理由

意思決定方法の種類

意思決定には、さまざまな定義があります。厳密な分類は難しいものの、多くの意思決定においてはこれから紹介する手法で判断を下せます。
ここでは意思決定の区分のうち、特に有名なアンゾフの意思決定論について解説しましょう。

戦略的意思決定

戦略的意思決定とは、企業全体の方針にまつわる問題に関して経営層が行う意思決定を指します。組織への影響力が高く、重要度が最も高い意思決定といえるでしょう。
戦略的決定は合理的な選択が求められることが多い一方、過去の事例が少ないので慎重に判断する必要があります。

実際に行われる選択として、新規事業の投資、赤字撤退、買収などが例として挙げられます。

管理的意思決定

管理的意思決定とは、部長職のような中間管理職が行う意思決定を指します。
戦略的意思決定で決まった企業方針に沿って、自部署で何を実現するかを考案します。このタイミングではデータをもとにした新たな発想が求められ、創造力と合理性が両立できる意思決定が必要です。
具体的には営業戦略立案、人員計画、スケジュール策定などがこの領域に含まれます。

戦略的意思決定より影響は弱いものの、比較的重要な決定を行っています。

業務的意思決定

業務的意思決定とは、社会人として日々行うレベルの意思決定です。
現場で直面する課題やタスクに対し、どのように対応するかを決めます。決定する際は合理性だけでなくスピード感と直感が求められており、適切に判断できれば日々の業務が円滑に進むでしょう。

営業職で例えると、相手との価格交渉や売上の管理、生産スケジュールの調整、特定の問題の解決などが業務的意思決定の一例といえます。
職種によっては日ごと・週ごとにこの意思決定を繰り返す場合があります。

意思決定の種類(指示系統別)

意思決定の指示系統として、トップダウンとボトムアップの2種類があります。意思決定の場面ごとにふさわしい指示系統があり、企業規模によっても最適な意思決定の流れが変わります。
ここでは、それぞれにふさわしいケースを複数ご紹介しましょう。

トップダウン型

トップダウン型は、迅速かつ大胆な経営判断が求められる場面で本領発揮できます。また、社員に自律性が育っていない場合もトップダウン型の意思決定を行った方が経営が安定します。

急成長中のベンチャー企業、ビジネスモデルを転換するタイミング、コロナ禍のような外的要因による経済環境の変化への対応などが、トップダウン型の意思決定が求められる例です。

一方でトップダウン型には、現場の声を反映しにくいデメリットがあります。企業規模が大きくなるほどこのデメリットが顕著に出てくるので、企業規模が大きくなったタイミングで徐々にボトムアップ型の意思決定に切り替えていきましょう。

ボトムアップ型

ボトムアップ型は現場の意見やアイデアを生かす場面や、柔軟かつ創造的な対応が求められる場面で本領発揮できます。意思決定に必要な情報を適切に吸い上げられる環境であれば、ボトムアップを活用するとよいでしょう。

営業現場の売上目標設定、専門的な知識が必要なプロジェクトの運営、事業が安定している企業などが、ボトムアップ型の意思決定が求められる例です。

ボトムアップ型の意思決定を実現したい場合、社員の自律性の有無がカギを握ります。企業理念が浸透したうえで、社員自ら情報発信ができる社風を作り出す必要があります。

意思決定に時間がかかると何が起きる?

ビジネスにおいて、意思決定に時間がかかると大きなデメリットが生じます。業務が停滞するだけならまだよいですが、ビジネスチャンスそのものを逃すおそれがあります。
ここでは、意思決定の遅れがもたらす影響についてお伝えしましょう。

業務が停滞する

意思決定が遅れると、その分スケジュールが後ろ倒しになります。
スケジュールが後ろ倒しになると、業務遂行や開発が滞り納期に支障をきたします。スケジュール通りに仕事が遂行できない状態が続けば、仕事に関わるメンバーのモチベーションが下がり、生産性にも影響が出るでしょう。仕事へのモチベーションが下がると、積極的なコミュニケーションも期待できません。

意思決定に時間がかかるほど費用が増大するという調査結果があるように、時間はすべてに影響する要因です。意思決定が停滞して時間がかかるほど、コストもどんどん膨れ上がってしまいます。

ビジネスの機会を失う

モチベーションの低下によって、もたらされることはたくさんあります。他社のスピード感に追いつけず競争力が下がることもありますし、意思決定の遅れから顧客の問い合わせ対応が遅れ、顧客満足度に影響が出ることもあります。
意思決定の遅れは、ブランドイメージが低下してビジネスチャンスを失う原因です。

また、新しいアイデアや変革を望めない環境とみなされてしまい、企業全体のイノベーションの士気が下がってしまいます。企業内で新しい価値創造ができなくなることは、競争力低下の要因となります。

意思決定の質が低いと起きる問題

意思決定が滞ることなく進むことがベストですが、意思決定の質が低ければ別の問題が生じます。意思決定の内容が悪いと、属人化やミスの増加など、業務遂行において支障をきたす場面が出てきます。
ここでは、特にリスクを生じやすい問題を2つ紹介しましょう。

情報の伝達ミスが生じる

意思決定される際の協議が不十分だと、関係者へのコミュニケーションロスが発生します。

意思決定の質が悪いということは、言い換えれば協議されるべき議題において議論が不十分であるということです。そのため決定に基づいて判断を下すさまざまな場面で想定されていない、あるいは伝達されていない事態に遭遇する危険性が高く、判断があやふやなまま進行したり判断が先延ばしにされたりといったことが起こります。

慎重かつ多角的な判断を行えるように、質のよい意思決定ができる土壌が重要です。

責任の所在があいまい

意思決定において、責任が誰にあるかは非常に重要です。

できれば不要な責任は負いたくないのが大方の人間の本音であり、責任の所在が不透明なままだと他人任せになるおそれがあります。重要な場面で思い切った決断を下すには、責任の所在を明確にすることが不可欠なのです。
承認者がわからない、権限が不透明など責任の所在があいまいなままだと、誰も判断せず、より深刻な問題が発生しかねません。

承認者・決裁者は責任をもって情報収集をし、決裁を行えるようにする必要があります。

意思決定をワークフローシステムで可視化する

意思決定フローを確実に誰でもわかりやすくするためには、ワークフローシステムで可視化するとよいでしょう。
ワークフローシステムは稟議や申請などを電子化するシステムを指し、今まで紙ベースで行っていた意思決定フローを最適化できるシステムです。

意思決定フローの標準化

ワークフローシステムの導入によって、意思決定の流れをマニュアル化・標準化できます。意思決定業務を標準化することで、業務のばらつきを抑えて業務効率を格段に上げられます。

意思決定をスムーズにすることで業務のブラックボックス化を阻止でき、属人化による情報共有の質低下の防止が可能です。プロセスが決まっていれば、仮に承認者・決裁者が異動や退職で現場から離れても質の高い意思決定を維持でき、生産性も上がるでしょう。

決裁状況の一元管理

ワークフローシステムなら、決裁状況を一目で確認できます。
弊社が提供する『コラボフロー』では、処理が済んでいない申請をメーラーの未読通知のように表示できます。処理が必要な申請や承諾物、自分が処理した申請が今どんな状況か1つの画面で確認可能です。

処理しなければいけない申請や処理済みの申請がどうなっているか、申請以外の相談事などを未読メールを片付けるような感覚でコラボフロー上で把握可能です。承認・決裁画面から、申請画面に飛ぶこともできます。

並列処理による承認作業の迅速化

紙を使った稟議では、1人しか申請内容を確認できません。しかしワークフローシステムでは複数人まとめて並列処理ができます。

コラボフローでは、承認・決裁先を自動で選択でき、常に最適な承認フローで申請が提出可能です。一括承認や代理承認、決裁者のうち複数人の承諾が得られれば決裁できるようにフローも変更できます。
複数人でデータを閲覧する際、誤って削除してしまわないか不安になる方もあるかもしれませんが、入力制御機能もあるため削除のリスクも軽減できます。

弊社システムの導入で意思決定が促進された例

どの職種でも、ワークフローシステムの導入によって意思決定をスムーズに進めることが可能です。
ここでは弊社のコラボフロー導入によって、ワークフローや意思決定が促進された事例を3つご紹介しましょう。

【人事】採用承認の意思決定が1週間から1日に短縮

株式会社エーティーエルシステムズ様では、意思決定フローにおいてデジタルと紙が混在していました。情報の一元管理が難しく、意思決定に時間がかかることが課題の1つでした。

データ活用を推進する企業で自社の業務プロセスもデジタル化すべくコラボフローを導入。導入と同時に業務の見直しを実施し、複数部署での情報共有フローも見直しました。その結果、今まで1週間かかっていた採用承認が1日で完結できるようになり、迅速な意思決定が実現できています。


株式会社エーティーエルシステムズ様
1週間かかっていた承認プロセスが1日以内に!コラボフローで場所を問わない申請・承認を実現


【営業】年間35,000件の申請をすべて処理・管理

菊正宗酒造株式会社様の承認システムを、自社開発からコラボフローに切り替えたケースです。

インボイス制度や電子帳簿保存法の改正に伴い、自社開発のシステムでは改修に限界がありました。そこで外部のシステムへの入れ替えが検討されましたが、酒類の販売にはさまざまな法律が関係しており、営業の手続きを含む記録の整備には厳密さが求められます。

コラボフローはカスタマイズ性や外部基幹システムとの連携性の高さを誇っており、求める水準をクリアしました。現在、見積・約定・請求・支払などに関わる年間35,000件、月3,000件程度の申請がコラボフローですべて処理され、営業部門における意思決定のスピードアップに役立っています。


菊正宗酒造株式会社様
コラボフローとkintone連携で自社開発システムからのリプレイスを実現。カスタマイズ活用で、従来通りの使い勝手に。


【総務】契約締結までのフローをペーパーレス化

株式会社東京ドーム様では、社内DX化の推進と当時使用していたワークフローシステムのサービス終了に伴い、コラボフローに乗り換えました。
直感的な操作でフォームや承認経路を編集できる点が導入の決め手。他社のサービスにはない使いやすさが決め手となりました。

コラボフロー導入後効果検証を行ったところ、申請から決裁まで9日かかっていた処理が3日に短縮できています。メール通知ができるため確認漏れが起こらず、意思決定フローの停滞も防止できました。


株式会社東京ドーム様
フォームや経路を簡単に作成できる使いやすさが決め手!無駄のない最適ワークフローを構築し、決裁スピードが大幅UP


ワークフローで質の高い意思決定をするコツ

ここまで紹介した企業のように、ワークフローシステムで質の高い意思決定を実現するためには、いくつかコツがあります。どれもワークフローシステムをフル活用し、意思決定の中身をよりよくするためには欠かせません。

感覚での承認をなくす

「●●だと聞いたことがある」「▲▲に違いない」など先入観や感覚で承認すると、意思決定の質が下がります。収集した情報をもとに客観的に事実をとらえ、よく検討しましょう。

意思決定においては、申請の根拠となる情報が欠かせません。この時のデータの正確性は重要ですので、なぜこのような申請をしたかというエビデンスも必要です。これらをもとに議論して、ロジカルシンキングで最終判断を下しましょう。
「今までの慣習だから」「●●の申請だから問題ない」のような考え方は捨てましょう。

意思決定ログを作成する

どのような根拠で決定したか、代替案の検討をしたかなど、意思決定するに至ったログを作成すると納得感が増します。なぜその決断を下したか、簡単に記録するだけで過去の判断について素早く振り返れます。また属人化のリスクがほぼなくなり、不要な議論やコミュニケーションも発生しません。

意思決定ログの構成要素は、できるだけシンプルにすると運用しやすいです。最低限の内容として日付と決定事項、決定者と関係者、根拠、代替案がそろっていれば問題ありません。

ナレッジを蓄積する

意思決定を繰り返し社内にナレッジを蓄積することは、企業にとって大きなメリットとなります。

ある事象について意思決定を繰り返すことは、現代において悪ではありません。現代社会は変化の連続です。その変化に適用するために意思決定を繰り返して順応することは、環境の変化に上手に対応できている証拠です。

意思決定を繰り返した結果、社内で各人に経験や情報、ノウハウ、成功事例などさまざまな知見が蓄積されます。この知見はさまざまな場面で活用でき、企業力を底上げしてくれるでしょう。

まとめ

現在ビジネスはデジタル化が加速した影響で、目まぐるしい早さで成長をしています。
企業の意思決定の遅れは、競争力を大きく左右するでしょう。

こういう状況が続くことで、業務の停滞やビジネスチャンスの損失に繋がります。
また正しい情報が届かないと質の低い意思決定を行うことになるため、企業として大きな損失を受ける可能性があるでしょう。

このような問題を解決するためには、ワークフローシステムの導入が有効です。
株式会社コラボスタイルの「コラボフロー」は、書類や手続きを簡素化するワークフローシステムを提供しています。

コラボフローを活用することで、以下の様な効果を発揮します。

  • 意思決定の流れをマニュアル化
  • 申請・決裁状況の把握、タスク管理
  • 紙ではできない、複数にまとめて承認・決裁ができる

このように意思決定のスピードupと質の向上を可能にします。
これにより、業務の停滞を防ぎ、ビジネスチャンスの損失を抑えられるでしょう。

素早い意思決定を行いたい、申請におけるフローを簡素化したい、コア業務に集中したい等の課題感をお持ちの方はお気軽にコラボフローの資料をダウンロードください。

ワークフローシステムを活用し、稟議書の申請・承認業務の効率化を進めてみてはいかがでしょうか。
ワークフローシステム「コラボフロー」は直感的な操作でカンタンに社内ワークフローの構築が可能です。

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